とにかく外は寒すぎるから、中に入ろうぜ。
(レグはあまり寒さを感じていないように見える程に薄着だが…)
(このまま外で活動していて大丈夫なのだろうかと不安にも思えてくる)
(ある程度の物資を揃えてある中継拠点、そこにレグを案内し)
(中に入ると外にぶら下げてある白い布を下ろして地面に止めてから扉を閉める。)
(入り口を雪に見せることで入り口が見つからないようにしているようだ)
(ただ、人間などにはそれは通用しないだろうが…)
お前に散々追い掛け回されたせいでオイラは疲れたぜ。
ようこそ、オイラの隠れ家へ。
(ナナチは頭に被っていた蓑を取り、兎のような耳をぴんっと立たせる)
(毛皮の中に愛嬌のある顔が隠れており、首に巻いていた布を外して素顔を少年の前に晒す)
んな〜…おまえ本当にオイラの身体を隅々まで観察する気なのかぁ?
(着込んでいた上着を脱ぎ、毛皮に覆われた上半身も見せる)
(全身は茶色い毛皮に覆われているが、お腹や胸にかけては白い毛皮で覆われており)
(厚着をしていてにおいが篭っていたのか、干草のような匂いが薄らと感じられた)
んな〜…冗談に決まってるだろぉ…。
(呆れた様子で首を振り、隅々まで見せるわけねぇだろうがと目を細める)
(暖炉に近づきポットを手にすると窓をあけて雪をポットの中にがばっと入れ)
(それを火に近づけて溶かして水にする…)
なぁ、お前上から降りてきたのか?
上から降りてきた冒険者は珍しくねぇけど、生きてるのは珍しいぞ。
たいてい降りてきてすぐ寒さでやられて動けなくなっちまうしなぁ…。
(動けないところをあのレグが倒した獣に襲われて誰も帰ることは無い)
(だから前人未到の地ともされていて)
それにその腕、おまえロボットかぁ?
(耳をぴこんっと揺らしながらナナチはお湯の中に木の実と葉っぱを入れてぐるぐるとかき混ぜ)
これ、こーひーってやつ。
オイラ知ってるぜ、こういう苦いのを上の人間は飲むってな。
(それはどう見ても透明な…木の実が浮いているだけのお湯)
(ただ、木の実からは異様な臭いがしており、口に含めれば痛みにも似た苦味が襲ってくるだろう)
【んなぁ、巣穴はかなり天井が高いイメージだ】
【湯気が滴り落ちてこない程度には高くて、それから横穴も開いてる】
【だから、換気が常に出来てるって感じか】