>>685
ナナチが敵でないと判ったなら僕も暴れる必要はない。
(魔物か人間かは微妙だが、
 そもそも前の前の階層辺りから、真っ当な人間の形をした者とは出逢っていないような気がする…)
(つまりここまで来たら、話の通じる相手なだけでも貴重な出逢いとするべきで)
僕としても、ナナチから色々教えてもらえるなら、ここを後にするのは……かっ、
(……かわいい?!)
(いい匂いのする小柄でふわふわの生物に、流し目で兎耳をアピールされると)
(今まで、街で動物の幼体を見でもしない限り久しく感じたことのなかった感情を覚えてしまう)
うう……本当にふわふわだな……ふぁ?!
(握った手の触り心地も良く、無意識のうちに手が離せなくなっているレグ)

そ、そうだったか? そんなつもりじゃ……
(ナナチに顔を軽く押されて気がつくが、
 どうやら相手を恥ずかしがらせるまで、ずっと手を握って毛皮を触り続けていたようだ)
あぅ、す、済まない……
(謝ったが、どん引かれたナナチに後ずさりされてしまっている……)
わかった。僕も、少し片付けよう……
(とにかくナナチ本来のアジトを見せてもらえる事にはなった、ヘルメットを被り直して撤収の準備を手伝ったりする)
(それにしても夢中にさせられるこの可愛さは何から来るものだろうか、そういえばこの獣人は性別とかは―― )

これはまた狭いな……ナナチも屈んで入るのか?
(改めてナナチが逃げる時に入りかけた穴に着くと、その小ささには驚かされる)
(ナナチに続いて入ると、耳の分の身長を折りたたむ事が出来ないこちらは完全に四つんばいの移動となってしまう)
(目の前にはナナチの尻尾がふわふわと揺れて、さっきの毛皮のいい匂いがより濃い目に尻尾の風で漂ってくる)
(戦闘になりかけたさっきの緊張もあって、汗の匂いも濃く感じるが、不思議と不快感はない)

狭いお陰であまり寒い空気は入ってこないようだが……すんすん……
(両手足を着いた移動は顔が先頭になり、尻尾の凪ぐ風を求めるように顔はナナチのお尻に近づき)
(視線は進む方向でもある套の尻尾の穴、意識は套の中で尻尾の付け根がどのようになっているのだろうか、とか)
(尻尾の裏のふわふわはどんな匂いがするのだろう、とか―― )


【毛皮の日向の匂い、うむ、いいぞ……ずっと顔を埋めていたくなる。】
【狭い風洞だからな、そういう衝突事故も……うむ、あるだろうな……あって欲しいな……】
【もしかして、僕の顔がぶつかったら套の中の空気は……(ドキドキ】

【ああ、よろしく頼む。 しばらく進めば天井も高くなるだろうか?】
【台所のような設備と食材があれば、今度は僕が料理を披露かな。】
【アビスっぽくなくなるかもしれないが、卵と粉物みたいな食材は置いているか?あと油も。】