>>25
そんなに慌てて食べるな、パンは逃げたりはしない。
(朝でお腹が減っているというのもあろうが、
 喜んでウインナードックを頬張るヤファの姿は、可愛い以外の何者でもない)
(バター風味の柔らかパンとサラダが猫口へ取り込まれていく様は、一緒にいるウーフにとって新鮮な光景で)
(まるで初めてパンを食べたかのように感動して食べるヤファの、見た目の可愛さ以上に)
(野生の動物っぽい一生懸命さも感じられて、ウーフには特にそこが好みであったりする)

おい……だから慌てるなと言ったろう……
(熱々の注ぎたてスープが売りというその店の人気メニューではあったが、
 さすがにドラム族の猫舌には熱かったようで)
(コーンスープを飲んだヤファが、口を押さえて熱がっているのを見て)
ドラム族には、適度に冷ましてからのほうが良い。
(代わりに匙を持ったウーフは、まずスープをかき混ぜ、甘いコーンと刻みパセリがよく混ざった一口を掬うと)
(大人の狼口でふぅ〜っと吹いて、スープを猫舌にとっての適温になるまで冷ましてやる)
(そしてヤファに食べさせてやろうとするが)
……届かないか。 ならば仕方ない――
(テーブルの反対側から席を立つと、ヤファを抱き上げ、先に大きな狼獣人の身体で座って)
(ドラム少女のパンツのお尻をこっちの膝の上へ乗っけて、冷ましたスープをヤファの口元へ持っていってやる)

これで飲めるか?
(背中から抱いて食べさせるには、やはり丁度よいサイズのドラム族)
(毛皮の、特に立派な金毛の尻尾ごと一緒にこうして抱くのが、今やウーフにとって最大の癒しになっていた)


【なるほど食べ物への憧れか、それは月夜花が冒険者のふりをするには実にいい動機じゃないか。】
【うまいことを考える、これはなおさら衣装の買い物が楽しみだな。】

【……おっと時間が微妙なところになってしまった。】
【ヤファは返事を書いてもいいし、ここで凍結してもいいぞ、どうする?】
【ちなみに来週はちょっと変則になってしまって、月・木か月・水・金のどちらかのパターンで空けられる。】