この客の契約をとることができれば、会社にとって大きな利益であり、社内での絢の地位も上がる。
しかし、逆に失敗すれば大損であり、絢はクビすら危うくなるだろう。
契約条件は、絢の会社にやや有利であり、絢の優れた交渉術を使っても、相手を納得させるには少し厳しい。
しかし、相手側の担当者は、絢と一対一で面談して、「君の体を抱かせてくれるなら、契約するよ」と提案してきた。
担当者は脂ぎった醜い中年男で、精力だけは豚のように有り余っていそうだ。
「精一杯媚びて、テクを尽くして気持ちよくしてくれないと、この契約はナシだ」
彼はにやつきながらそう言い放った。