>>562

スゥー、ハァー、スゥー、ハァー……
(男に住んでいるマンションを突き止められたとは知らず、食事を終え休憩を取り勉強や諸々の雑用を終えて)
(いつもお風呂に入る前に行っている柔軟体操をして、部屋着にしているスエットにほんのりと汗ジミが浮かぶまで行う)
(同じ時間に、まさか自分のショーツが見えてしまった痴態がネットに流れ)
(見知らぬ男性たちの性欲を刺激しているなど夢にも思っていなかった)

ハァーッ、やっぱりお風呂は気持ちいいわね。
……ん!? そろそろシャンプーも買いに行かないと……
(ゆっくりとお湯に浸かりながら、髪を洗った時にシャンプーのボトルが軽かったのに気づき)
(ぼんやりと蕩けた瞳で何を考えるでもなく、手足を伸ばしリラックスして気分転換を果たす)
(お風呂を上がって汗が引くのを待ってベッドに入ると、すぐに寝息を立て始める)

良しと……、忘れ物はないみたいね。今日は帰りにジムに寄って……、シャンプーも帰りに買って。
……でも、何だったのかしら……変な夢だった気がするんだけれど……
いけない、少し急がないとギリギリになっちゃう。
(朝起きて今日はピンストライプの入ったネイビーのスーツと、淡いピンク色のブラウスという出で立ちで部屋を後にする)
(手にした荷物はいつものバッグの他に、スポーツジムで使う水着やTシャツ、スポーツタオルの入った大きめのバッグを手にして)
(部屋の鍵を締めながら昨夜見た夢のことを考える。それは不思議な夢で断片的にしか覚えておらず)
(両手を紐で縛り上に持ち上がられている光景や、闇の中から男の手が伸びてきたのだけを思い出し)
(なぜ自分がそんな夢を見たのか首を傾げて、少し考えるけれど答えは出ず)
(チラリと時計に視線を走らせると、もともと朝には弱いこともあり結構良い時間で慌てて歩き出す)
(マンションを出るといつもより少しだけ早足で駅へと向かう途中で、ストーカーと化した男の目の前を通り過ぎる)
(昨日とは違う、柑橘系の香水が男の鼻を擽って図らずも男の欲望を刺激してしまうことになって……)

……最悪! でも、この電車じゃないといつもの時間に会社に着かないし……
(同僚たちよりは少し早く会社に着くことを心掛けていて、そのためにはこの電車に乗るしか無く)
(いつもは女性専用車両を選ぶが、夢見が悪くいつもより少し寝過ごしたせいもあり普通の車両に乗り込むと)
(女性の姿も無いわけでは無いが、周囲には圧倒的に男性ばかりで、顔を僅かに歪め体を緊張に固くする)

【ありがとうございます。部屋への侵入はもう少し先に伸ばしたいと思います】