Innocent SEX of world's end
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※ 繰り返される退屈な日常、子供に無関心な大人たち
※ この世界の何処にも私たちの居場所なんてなかった
※ だから私たちは世界の果てでセックスをただ繰り返す
※ それは私たちにとってささやかな抵抗で一瞬の安らぎ
《story》
都会の喧騒から少し離れた小高い丘にある古ぼけた教会跡。
天使も神様も居ないそこは、人伝いの噂で集った心の欠落した若者たちの拠。
互いの素性も知らない彼らがそこで行うことは、唯一つセックスだけ。
それがセックスサークル『天使の閨』の活動内容。
ある者は渇きを、ある者は心を満たすため、またある者は純粋な欲望のために。
けれど、誰一人としてセックスで満たされる者など居はしない。
セックスとは限りなく祈りに近い、現実からの逃避に過ぎないのだから。
それでも尚、彼らは今夜もまた愛のない空虚なセックスに身を委ねる。
《local rule》
セックスを営み、セックスを語り、セックスに救いを求める方のためのなりきりスレッドです。
このスレッドはsage進行です。煽り・荒らしなどはスルーして下さい。
舞台はあくまで架空のものであり、実在する場所や設定とは何の関係もないものとします。
参加はオリジナルであれば性別年齢職業等は問いません。継続参加の場合はトリップ推奨。
プレイを行う場合、問題の無いよう【】などで双方の合意の上で行うようにして下さい。
《profile》
【名前】
【性別】
【年齢】
【職業】
【サイズ】
【容姿】
【性格】
【備考】 【プロフ投下します。】
【名前】やなが りえ
【性別】女
【年齢】17
【職業】私立聖章学院3年生
【サイズ】162キロ、46センチ、スリーサイズは上から83、56、79
【容姿】髪はポニーテール、制服を雑に着ている
【性格】自殺願望が強く、人に話しかけられない限り口を開かない(対応も冷ややか)、
【備考】元は中学で野球をしていた元気な少女だった、高校に入り野球部に所属するも差別、いじめ、道具を捨てられるなどして居場所を無くされてしまう。
それから部をやめ、性格はガラリと変わる。口癖は「居場所がない…」 〈考えこむように教会を見ている少女が一人…〉
……ここがウワサの教会…こんなに静かだけど……サークル…活動してるの…?
……こんなとこが…居場所になるわけない……
【待機します。】 【名前】橘 珠希(たちばな たまき)
【性別】女
【年齢】17歳(6月28日生まれ)
【職業】私立学園三年生
【サイズ】164cm 50kg B87/W60/H87
【容姿】髪はロングヘアーで顎のラインからシャギーが入った艶のある赤毛。猫っぽい表情。
スタイルには気を使っていて巷のエロオヤジの目を引いている自覚はある。むしろ確信犯。
【性格】学校では誰に対しても素っ気なく接しているが、成績は上位で問題行動はない。
サークルでは反動的に無邪気でオープンな性格で、セックスにも極めて積極性を示す。
【備考】『天使の閨』の代表代行。代表は自宅マンションから飛び降りて数カ月前に死亡している。
出席率が高いこととセックスに対する姿勢から、なし崩し的に代表代行の座についている。
会話をしながらのセックスを好む傾向があるが、自らの初体験は語ったことがない。
好きな言葉は「空」「羽根」「自由」。一人の時は、ボーッと空を眺めるのが好き。 【スレ立て依頼していた者です。
書き込みが遅くなって申し訳ありませんでした】
>>4
他に誰もいない教会で、参列席に一人座って目を閉じている。
「・・・・・・・・・」
酷く心は落ち着いている。
けれど確信がある。
――今日は誰か来る。
人の気配を感じて、入り口を振り返る。
【こんばんは、少しお話しませんか?】 〈教会に入るか入らないかをまだ決めかねない様子〉
…どうしよう……こんなところで時間潰すなら…でも… >>7
「――誰かしら?」
他の音のしない場所だから、扉の前で入るか入らないかを迷う足音を耳にして立ち上がる。
「そんな所にいないで、中へどうぞ」
扉の正面に立って、姿の見えぬ外にいる客人に声をかける。 >9
<見えない人からの呼び掛けに対し、内心は驚きながらも表情を崩さず冷静に言葉を返す〉
…だれ?……ここの人なの?……
〈もっと詳しく聞こうとするも最低限のことしか聞けない〉 >>10
「んもうっ!!」
誰だかわからないけれど、扉を開けて入って来る様子はない。
それをじれったく思い、ずかずかと扉に向かって行き勢いよく扉を開ける。
「あっ・・・・・・」
奥手な男か思ったら、そこに居たのは自分と年も変わらぬ女の子。
制服は違うので、他校の生徒だと思う。
「貴女は・・・招かれざる客?
それともお仲間・・・?」
少女の目を逸らすことなく、相手の反応を見ながら尋ねる。 >11
〈相手の怒りのようなものを感じたか表情は変えないが身体が震える〉
…っ!……別に…
〈話している相手が姿を現し自分と同年代ぐらいの女性であることがわかる。〉
……女?…あなた…だれ?……
〈仲間かなどと聞かれ少し動揺するが冷静に語る〉
…わたし……今日ここに…来るのは…初めてだし…あなたに会うのも…初めて…仲間とか…言われても…初めてだし… >>12
「ゴメンね、そんなに怖がらないで?」
苦笑を浮かべながら彼女の手を握って謝罪。
相手の身振り、そして発する言葉。
そこから容易に想像できる。
――心に傷を持った仲間だ。
「あたしは『天使の閨』の代表代行をしてる橘 珠希(たちばな たまき)。
貴女はここがどういう場所なのか、知った上で来たのよね?」
取った手を両手で包みながら、相手を怖がらせないようにして尋ねてみる。 >13
〈橘さんの性格などを見透かすかのようにしばらく黙って見る、名前などを聞いて〉
……橘さん…ね…わたしと…同じくらいで…代行…
〈なぜ来たのかを聞かれ、少しの間黙殺、そして口を開く〉
…わたしは…ウワサを……聞いて…来ただけ…何も…知らないし…わたしは………オバケ…居場所がないの…だから…オバケ…
〈などと言うと顔を俯き黙りこむ〉 >>14
「うん・・・。でも代表してるのには、ちょっとワケありなんだけどね」
そう言って肩を竦めて笑いながら、相手の女の子の反応を確かめる。
「オバケ・・・?」
少女の口にした単語に一瞬戸惑い、彼女をじっと見つめる。
「そっか・・・。でも貴女はオバケじゃないよ?
だってここに来たってことは、そうじゃないって思ったからなんでしょ?」
彼女を優しく抱き締める。
冷たくなった心を温めて溶かすために。
決して自分も、熱い心の持ち主じゃないけど、彼女よりは温度がある。
それをセックスを経験している分の温度差だと思う。
「セックスしに来たの・・・?
貴女の名前を教えて?」
彼女の体温を感じるために、ぎゅっと抱き合う。 >15
〈橘さんからのワケありという言葉に対して少し戸惑いを感じ〉
…ワケあり…ね……大変なんだ…
〈名前やいろいろなことに対して冷ややかに返す〉
……弥永…弥永梨絵…別に…名前なんて…いらないけど……
……居場所が…無くなれば…オバケよ…どちらにせよ……あなたには…わからない…
〈抱きしめられセックスをするのかどうか聞かれるも抱きしめられのが嫌か不機嫌になる〉
……離して…こういうの…嫌いなの…それに…セックスって…
…………気持ち良くなれれば…なんでも…する…だけど…したこと……ないの… >>16
「あたしたちはこの世界に否定された者の集まりだから・・・」
代表を行方を詳しくは語らない。
それを彼女に語ることに、今は意味を見出だせないから。
「梨絵ちゃん、か・・・」
嫌がる梨絵の心中に気付いて、申し訳なさそうに離れる。
「セックスしたことないんだ・・・?
ねぇ、とりあえず中に入って。外は暑いでしょ?」
ガラス細工のような彼女の心に優しく語りかける。
――傷の原因は多分違う。
でも梨絵はどこか昔の自分に似ているように思えた。
逃避のためのセックスを知らない頃の、あの頃の自分に。 >17
〈否定された者…その言葉を聞いて怒りで身体を震わしてしまう〉
……わたしは…わたしは…否定なんか…されて…ない!!
…っ!!…あっ…まだ…こんなことを…思う…なんて…もう…ダメ…なのに…
〈それからの嫌悪感に陥り中に入るように言われ力なくうなずく〉
……暑いせい…ね…ごめんなさい……中に入らせて…ください… >>18
「り、梨絵ちゃん!?」
肩を震わせる梨絵に驚き、哀れみを表情を浮かべる。
――この子、まだ・・・。
「良いの、気にしないで?
今日はまだ、あたし以外には誰も来てないんだけどね」
そう言って教会の中に案内する。
正面にあるのは無残に崩れた救い主の像。
脇には首のない聖母の像。
そして、割れたステンドグラス。
そこは天使も神様もいない、世界の果てのような場所。
「ようこそ、セックスサークル『天使の閨』へ」
梨絵を先導して中央当たりへくると、くるりと半回転して梨絵を向いて笑顔を見せる。
そして警戒させないよう、笑顔で彼女に手を差し伸べる。
「この手を取れば、貴女はあたしたちの仲間よ」 >19
〈案内をされ、期待を抱く一方で戸惑いと不安を感じていく…〉
……キレイ…こんなに…いい場所が…
〈しばらくして、橘さんが立ち止まり、手を差し延べる。梨絵自体はなんら問題無く無表情で手を取ろうとするが…〉
……え?…手が…動かない…どうして…?
〈過去の楽しかった記憶などが流れたのだろうか?手を取ろうとすることを拒んでいる〉
…っ!別に、あんなのは過去よ!!このサークルに入れば居場所がある!もう、過去は関係ないわ!!
〈身体に必死に訴える〉 >>20
「梨絵ちゃん・・・」
哀れみの表情で手を差し伸べたまま、梨絵ちゃんを待つ。
「このサークルは自由なものよ。
入るのも抜けるのも自由・・・。
誰も貴女を縛ったりはしないわ」 【トリップ変更です】
【梨絵さん、落ちられましたか?】 >21
〈橘さんの言葉を聞いて身体の震えは無くなっていく〉
…えっ?自由…?…本当に自由にしていいの? >>23
「うん。あたし自身、自由が好きだから・・・。
それ以上にセックスも好きなんだけどね?」
優しく、目を細めながらゆっくりと梨絵に語りかける。
「人は空を飛べないわ。
でも裸になってセックスをすれば、自由を感じることが出来る。
セックスは人の本質を教えてくれるもの。
だからね、あたしは何よりもセックスが好きなの」
一通り語ると、息を吐いて気持ちを落ち着ける。
――セックスが救いになるのは、セックスをしている時だけなのに。
――だから一度快楽を知れば、一人の夜が怖くなる。
――あたしはそれでセックスから逃げられなくなった。
――それをあたしは、この子に・・・。
「・・・・・・どうする?」
目を真っすぐに見据えて、もう一度手を差し伸べる。 >24
〈橘さんの表情、言葉を聞いて心が和んでいく、しかし、決して表情を崩すことはない〉
……自由が…ほしい…わたしは…この手を…
〈そう語ると梨絵は橘さんの手を取った〉
……よろし…く…
【すいません、さっきはご飯を食べてまして…】 >>25
「こちらこそ、よろしくね?」
手を取った梨絵の掌を軽く握る。
「それじゃあ、『天使の閨』の基本活動について説明するわね?
立ち話の何だし、座って話しましょうか?」
そう言って参列席の長椅子に腰を降ろし、梨絵に隣に座るように促す。
【いえ、戻って来てもらえて良かったです。お気になさらず。】 >26
〈橘さんの横に座り、説明を聞く「フリ」をする。実はまだ半信半疑である〉
……一体…どんなことを…するの…? >>27
「基本的にはセックスだけよ。だってセックスサークルなんだもの」
くすっと、可笑しそうに梨絵の顔を斜め下からのぞき込むように見る。
「正式なメンバーもいれば、噂を聞き付けてセックスをしに来る人もいるわ。
お互いの素性や事情は関係なしに、セックスだけするの。
躯さえあれば、セックスは出来るものね・・・」
そう言って梨絵の肢体を頭の上から褄先まで、ゆっくりと眺め見る。
「もちろん自分を知ってもらった上で、互いに理解を深めてセックスするものアリよ。
あたしはその方が燃えちゃうから、話ながらセックスするけどね・・・」
一通り梨絵のスタイルを制服越しの見極めて、梨絵の顎に指を伸ばす。
「梨絵ちゃんは、どんなセックスがしたいの・・・?」
熱の籠もった瞳で、梨絵を見つめる。 >28
〈「どんなセックスがしたい?」というセリフに困惑する〉
……どんな?…どんな…わたしは…楽しければ…なんでも…いいと思う…だけど…まだ…やったことが…ないから…わからない…
〈まだセックスをした経験もないのでどうこうと詳しいことはわからない。しかし梨絵の望むことは楽しいだけでなく、優しさも必要としている。しかし、言えない。〉 >>29
「そう・・・。素敵な人とセックスできると良いわね?」
セックスは互いの同意の上で行うもの。
梨絵が誰とのセックスを求めるかは分からないけど、心からそう思う。
ここに来るのは男も女も、心に傷を持つ者ばかり。
その中に、梨絵を癒してくれる男性が現れることを願う。
「さっきも言ったけど、今日はまだ男の子は誰も来てないの。
もし良かったら、梨絵ちゃんにセックスについてレクチャーしましょうか?」
悪戯っぽい笑顔で梨絵の耳元でポツリと囁く。 >30
〈珠希さんの耳元での言葉に反応し〉
……レクチャー…?わたしが?…冗談でしょう? >>31
半信半疑のように聞き返す梨絵を微笑ましく見る。
「セックスについての知識、あった方が良くない?」
梨絵の肩に手を置いて、真面目っぽく問う。
「もちろん強制はしないわ。それも梨絵ちゃんの自由よ」
ぱっと手を離して寄せていた躯を起こして、背筋を伸ばす。
そしてチラリと横目で梨絵の反応を確かめる。
【時間がなければ拒否して下さいね】 >32
〈珠希さんの言葉に対して興味を持つものの、お世話になってばかり、梨絵はそこまでしてもらおうとは思っていなかった。〉
……それも…そうね…だけど…まだ…いいわ…ごめんなさい…そこまで…してもらうワケには…いかないの……
【すいません、時間に余裕がないので、そろそろ…】 >>33
「そう・・・。ゴメンなさい。
余計なお世話だったかもね?」
舌を出して苦笑いを浮かべる。
【いえ、長時間ありがとうございました】 >34
〈謝る珠希さんに対して、冷静ながらも自分も謝る〉
……ううん…余計…なんか…じゃない……いろいろ…教えて…くれて…ありがとう…
【すいません。長々とありがとうございました。またよろしければお願いしますね】 >>35
「良いのよ、あたしはサークルの代表代行なんだもの。
梨絵ちゃん、セックス頑張ってね?」
そうして腕時計で時間を見る。
「もう時間は遅いけど、うちに帰らなくても大丈夫?」
儚い感じのする梨絵に少し心配そうに尋ねる。
【こらから一緒に盛り上げていきましょうね?】
【本当に今日はありがとう】 >36
〈時間の心配をされ、ケータイの時計を見て遅くなっていることがわかる〉
……大丈夫…親は…甘い…から……でも…少し…急がなきゃ…今日は…ありがとう…
〈珠希さんに一礼して後ろを向くと駆けて帰っていた…〉
【盛り上げガンバりましょう!!】 >>37
「どういたしまして」
梨絵の感謝の言葉が擽ったく、自然と笑みが零れてしまう。
「それじゃあ、またね?」
駆け出して行った梨絵の背中をいつまでも見送る。
そして教会は静寂に包まれる。
【うん。では今日のところはお疲れさまでした】 「セックスサークル」……か。
都市伝説の類だとは思うけど……って、ボクはなんでこんなところにいるんだか。
(あどけない顔をした少年が、教会の廃墟をうすらぼんやりと眺めている) >>39
【ごめんなさい、目を離してました・・・】
【まだいらっしゃいますか?】 >>41
【ではレスしますね。時間は大丈夫ですか?】
>>39
「うんっ・・・・・・?」
長椅子に座って少しウトウトとしていると、ふと外に気配を感じて目を覚ます。
「さっきの子が戻って来たのかしら?」
口を掌で隠しながら欠伸をして、立ち上がる。
そして入り口へと歩み寄って、徐に扉を開ける。
「・・・君は?」
外に居た見知らぬ男の子と目が合って、そう尋ねる。
【背格好を教えていただけますか?】
【同じくらいなのか、もうちょっと年下なのかをお願いします】 【名前】???
【性別】男
【年齢】中学生風
【職業】???
【サイズ】身長158
【容姿】ちょっと女顔入ったひ弱な感じの少年
【性格】???
【備考】常に何かに怯えているような弱々しさをまとっている。
>>42
……よく見えないな、人が居そうな気配もないし
(破れた窓ガラス越しに中の様子を盗み見るが、十分に果たせず早くも諦めかけて)
……こんな廃墟に来るヤツなんて、どうせろくなヤツじゃないだろうし……わっ!?
(踵を返し掛けた瞬間、扉が不気味な音を立てて開き、そこから顔を出した少女
を目の当たりにして、その場に腰を抜かす)
あ、ええと、その……ぼ、ぼくっ……
(顔面を蒼白にし、歯の根をガタガタ言わせながら、無意識に後ずさり)
【時間はしばらく大丈夫です】 >>43
どうやら見た感じだと中学生くらいの男の子。
ひょっとして噂で聞いて、興味本位で来たのかな、なんて思う。
「そんな風に怖がらなくて良いのよ。
あたしがオバケにでも見える?」
可笑しそうに笑みを浮かべながら、男の子に近付いて行く。
「こんな場所に何か御用?
あたしは橘 珠希。高校三年生よ。
君は・・・中学生なのかな?」
男子の制服なんて、夏服はどこも同じに見えるから区別がつかず分からない様子。
ちょっとお姉さんぽく、目線を男の子に合わせて尋ねてみる。
【わかりました。よろしくお願いします】 >>44
あ、あの、す、すみません、人がいたなんて知らなかったから……ほんとですっ!
(珠希が近づいてくるたびに、弁解しつつ反射的に距離を取ろうと後ずさる。
しかし、尻餅をついたままでは徒歩には敵わずに)
ちょ、ちょっと気になる噂を聞いて、それで……あ、いえ、その、ぼく、なにも、
なにも見てませんからっ! だから……ごめんなさいっ!
(幽鬼にでも出会ったかのような、血の気の失せた顔をイヤイヤと振り、
極限まで張りつめた恐怖の糸がぷつりと切れた瞬間、身体を反転させ、
這々の体で逃げ出していく) >>45
「ちょっと、君っ!!
だから、そんなに怖がらなくても・・・」
その男の子の怖がり方に、何か違和感を感じる。
普通じゃない何か・・・。
――心の傷を。
「噂・・・?」
それを聞いて違和感は確信に変わる。
この子は噂を耳にして、ここにやって来たあたしたちの仲間だと。
「待って!!」
慌てて追いかけて、男の子の肩を掴んで勢い余って地面に押し付けてしまう。
「君・・・、セックスをしに来たんじゃないの?
嫌なことがあって、セックスに逃げたいんじゃないの!?」
そして地面にうつ伏せに倒れた男の子の背に頭を預ける。
「あたしが君とセックスしてあげる。
君の傷を、あたしに見せて・・・?」
そう男の子に優しく、温かく囁きかける。 >>46
くっ……うわあっ!! はぐっ……くはっ……!?
(追いつかれ、不意に地面に制圧されて、情けない声を上げて潰れてしまう)
(女とはいえ、年上の珠希の膂力には敵わず、それでも芯から込み上げてくるかの
ような震えは止まらず、もがき続ける)
せ……せっく……?
(その生々しい語感が、少年の心を呪縛した。背中に預けられる珠希の重さと
温もりが、明らかな戸惑いとなって心臓の鼓動を乱していく)
で、でも……ぼく、はじめて、だしっ……
それに、いきなり、そんなこと言われたって……くうっ
(珠希の囁きが動揺を誘う。頭の中は予期せぬ展開に沸き返り、足りない酸素を
求めて酸欠の金魚のように空気の固まりを飲み込む)
…………他に、誰かいるんでしょ?
そ、それでこうやって……ぼくを、笑い者にしようって……そうに決まってるっ
(震える声に混じる、卑屈な色。悔しげに拳を握りしめると指の間から砂粒が零れた) >>47
「そう・・・セックスよ」
脅え続ける男の子に、はっきりとその言葉を伝える。
そして男の子の上から退いて、男の子を助け起こそうとする。
「あたしの他には、今は誰もいないわ。
それに誰も、君を笑い者なんかにしたりしない・・・」
少年の拳に、そっと手を重ね置く。
そして見つめる。
――少年の瞳の奥にあるものを。
「もう一度教えて・・・。
君はここに何を求めて来たの?」 >>48
…………え?
(不意に軽くなったと思えば、優しげな手つきで助け起こされ、ぽかんと口を開けて
珠希の顔を見つめるばかり)
…………ほ、ほんとうに? あっ……
(珠希の染み通るような真摯な言葉が、少年の胸を打った。見た目よりもさらに
幼い、幼児のような曇りのない黒い瞳で珠希を見返す。手を重ねられると、
びくんっと怯えて反射的に手を引っ込めるが、すぐに自分から手を珠希に預けて)
ぼくは……その、ぼくは……
…………誰かに包み込んで欲しくて……誰も、僕を知らない人に……
(自分の姿を写す瞳に魅入られて、頬を染める。直視に耐えきれずふいっと目を下げると、
珠希の濡れた、艶やかな唇に捕らえられた)
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