>>133
「あ、あれ・・・。セックス知らないんだ・・・?」
年齢的には知っていてもおかしくないと思っていたので、少し意外そう。

「でも知らないなら、その方が良いかもね。
 その方がきっと今はまだ、琴ちゃんのためだもの・・・」
そう言いながら腕時計で時間を見ると、夜も随分と更けていたことに気づく。
「そろそろあたしは帰らないと。
 これでもまだ、両親の前では真面目な子を演じてるから」
セックスを知らない琴に、真面目やそうでないことの意味が、
伝わるかどうかはこの際関係なしに、そう言って立ち上がる。

「じゃあ琴ちゃん、気をつけて帰るようにね。
 早く病院に帰らないと、琴ちゃんに酷いことするお兄さんが来るかもしれないわよ?」
くすくすと笑いながら琴に手を振って、教会を後にする。

【今夜はこれで失礼します。お付き合いありがとうございました】