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……え?
あっ、う、うん……はむっ……
(受け止めてあげる、その一言に凍え震える心が少し解けた。心より熱い血肉を
 持つ身体は、素直に珠希の温もりを欲して、初めて他人の唇を受け入れた)

んっ……は、ふうっ!? ん、んちゅっ、ちゅむっ……れろっ
(触れ合うだけの唇が不意に押しつけられ、生暖かくぬめった舌が差し込まれると、
 急に身体を強張らせてしまう。しかし手慣れた珠希の性戯の前では無意味な
 抵抗でしかなく、咥内を蹂躙されるままに預け、やがて身体は弛緩していき……)

ぷあっ、はぁ、はぁ、はぁ……はうっ!?
(唾液にまみれた口を拭い、肩で息をつく。紅潮した頬には汗すら浮かぶ)
(不意に股間で蠢く感触を覚え、再度身を強張らせる。キスよりも根元的に近い
 箇所を攻められる本能的な恐怖が、快感よりも上回って、身を引きながら
 怯え、戦慄く目を珠希に向ける)

ぼくは……ぼくは……ど、どうしていいのか、わからない……
(珠希の熱い吐息すら、少年には凶器だった。目に涙すらうっすらと浮かべ、
 戸惑う瞳を地面に落とす。それなのに、珠希の腕を掴む手にはわずかに力が籠もった)