>>957
(閑散とした酒場の中でささやかな未来を思い描くミリア)
(そんな彼女を視界に捉え、舌舐めずりする魔の者たちが、そこにはいた)
(高い天井の梁、隠蔽魔術を解いて音も無く姿を表したのは、ボロ布で身を隠すリカント……獣人達)
(外套を纏っても、長い口や毛むくじゃらの腕は隠しきれず、鋭い爪は磨かれたナイフのように鋭い)
(そんな彼らは、埃一つ巻き上げること無く跳躍)
(ミリアの頭上から、奇襲を仕掛けた……!)

ふふ……これはこれは。
不思議と腕の立つメスが集まるからと張り込んでいたが、存外に大きな獲物がかかったようだ……

(その様子を店の外、遠方の木の上から眺める赤褐色の影)
(湯気のように立ち上る闘気を隠そうともせず、楽しげに口角を吊り上げていた)

【簡単にですが、始めさせていただきました】
【中途要望あれば是非に承ります】