いっ……言いませんよそんなこと! 言うわけないじゃありませんか!
(普段は気弱な太一少年。しかし大好きな先輩に対して、今この時こそは正念場、ということは)
(心得ていた。不機嫌な先輩は恐いけれど、迫力に負けて自分の気持ちを誤魔化すわけにはいかない。)

他の人がどう言おうと、ボクは先輩の匂いを嫌だと思ったことなんてありません!
先輩本人が、汗っかきなのを気にしているのは知ってるし、信じてもらえないかも
しれませんけど……

ボクは先輩のこと尊敬してますし! 人を、身体のこととかそういう、本人には
どうしようもないことで陰で笑ったりするのは良くないことでしょ。最低ですよ。
そこまで見損なわないで欲しいっスよ。
先輩に対してそんな失礼なこと、するわけないじゃないですか……

(聞こえるか聞こえないくらいかの小声でボソリと)
だって、ずっと好きなんだから……