(走っても走っても森を抜けられない)
(もしかしたら森の奥に進んでしまってる気もするがそんなことを考える暇はなかった)
はぁっ、はぁっ、やだよぉ!来ないでぇ!
(涙目で振り返れば粘着質な音をたてながらスライムが追い掛けて来る)
(スライムくらい一人でたおせるもん!)
(そう意気込んで挑んだはいいが魔法にことごとく失敗しあっというまに魔力は底をついてしまった)
(そして現在に至る)
(普段は緩慢にしか動かないくせに予想以上に早いスライムのスピードに距離をじりじりと詰められる)
きゃっ!?
(出っ張った気の根に足を取られ派手な音をたてながら転ぶ)
(好機とばかりにスライムが手に、足にぬるぬると絡み付いた)
やー!や、やだっ!
(しゅう、と音をたてて煙が上がる)
(しかしどこも痛くなく、不思議に思ってよく見てみればスライムの触れたところの服がどんどんと溶けていく)
え、嘘、なにそっ、ひゃあ!?
(意志を持つ粘液が手足だけにとどまらず体中を這う)
(当然、触れたところから服は溶けていき素肌を直接粘液が這う)
あぁ、や、誰か助けて…!