うん、うん、ありがとぉ…
(落ち着きを取り戻したとたんじわじわと恥ずかしさが込み上げてきた)
(いつも遠くから眺めるだけだった憧れの彼がこんなに近くにいる)
(いや、近いどころではなく抱き着いてしまっている)
(顔に熱が集まるのがはっきりとわかった)

ああああの、その、突然抱き着いたりしてごめんなさ…え?
(そっと彼から離れればすう、と空気が肌を撫でる)
(変にすーすーするなと自分の姿を確認すればもはやぼろきれと化した服が引っ掛かってるだけで)
(状況を把握した途端先程とは比べものにならないくらい顔が熱くなった)

きゃあああ!?やっ、なんでなんで!?
(慌てて服の残骸を掻き寄せるがまったく意味がない)
(それどこれか脆くなった繊維がぶちぶちとちぎれていく)

(ぶちん)

…え?
(辛うじて持っていたパンツの繊維がちぎれ、ぱさりと地面に落ちた)

み、見ないでぇえええ!


【ありがとうございます】