(堂を閉めると、辺りには妖怪特有の嫌な気配が立ち込める)
(一般人ならば虫の知らせで近寄るのを躊躇うこの気配、鬼のそれともなればまず誰も近寄りはすまい)
(傍らに刀を突き刺し、へし折れた棍を隅に放り投げると、腰を据えて傷口に酒を吹きかける)
(鬼の再生力を持ってしても、治りが遅いのは、霊気による相克が原因であろう)
(ふと、女性としての魅力の詰まった身体に目を送る)
(敗者にして好敵手の相手、それはこの鬼から見ても実に魅力的だ)
ふぅむ……あれだけの実力を持っていながら、この身体……。
人とはまことに奇っ怪、だがそれが良いのかも知れんな。
(鬼とは元来女を好む。それは食人という面でも、性的欲求という面でも変わらない)
(人が鬼に成り果てる、という逸話も多い。超自然的な存在ながら、鬼は人に近いのだ)
(……敗北した悪刀娘を、この鬼は欲求一つでどうとでも扱える)
(鬼らしい鬼のこの鬼が、何もしない訳もなかった)
くくっ、思えば決着に執着するあまり、ついぞ女を味わっておらなんだな。
良い機会だ……お前に溜まった欲を吐き出させてもらうとしよう。存分にな。
(彼女を自らの胡座の中に引き寄せると、帯を引きちぎり、その袴と羽織り、着ている物を脱がそうと試みる)
(がさつなこの鬼の手に掛かれば、多少脱がしにくいだけの着物も、さっさと怪力で引きちぎってしまうことだろう)
【行為の前に話す、で行きましょうか】
【お前を犯すぞ、と言う鬼の態度にまんざらでもなく対応してしまう、みたいな感じで】