>>460
(いつものことではあるが、友達と言える存在もなく、忙しい使用人にもあまり構って貰えず)
(久しぶりの雨で急に寒くなった部屋の中、楓は一人寂しく貝合わせをしていた)

これと、これは……ちがう、こっちかな?

(何度も遊んだものだから、だいたい覚えてしまってるけど、あえて忘れたふりをして遊んでいて)
(そんな時、急に声がして顔を上げてみれば、部屋に入ってきたのは最近屋敷にきた青年だった)

あ、お兄さま!
ねぇ、ねぇ、こんな時間にどうしたの?
楓に何か用事でも?
もしかして、楓と遊んでくれるの?
(頭を撫でられる心地よさにうっとり眼を細めながら、楓はお兄さまに抱きつく)

【楓こそよろしくお願いします】
【あ、そうそう、楓のお部屋は和室なの】