「やれやれ、やっちまえ!」
《全う過ぎるくらい全うなキャラだな……きっと真面目な女なんだなぁ……》
(緑の肌の巨体を持つオークは、玉座の前に仁王立ちし、手下どもに命令する)
(「まさしくオーク」を演じつつ、頭の中では冷静に新たな獲物のデータを観察している)
「ぎゃー!?」
「ひえええ!?」
(別段強化などもしていない、単なるザコ…そして餌でしかない手下のオークたちは、ソニアのファイヤーボールで)
(面白いように吹き飛び、次々に消滅していく)
(ソニア、である慶子の視界には、オークが消滅するたびに、ゲーム内通貨であるコインが出現し、自動的に)
(所持金の欄の数字が増加していく)
《よしよし、たっぷり儲けてくれよ》
「てめぇ、よくも手下を可愛がってくれたなぁ?」
「今度は俺様が相手だぜ!」
(ザコが全て倒されると、雁田であるオークは右手に棍棒、左手に鞭を振り上げてソニアに突進していく)
(その瞬間)
『ステータス異常:敏捷性150低下』
(突然のシステムメッセージがソニアの視界に表示され、キャラクターの動作が極端に遅くなる)
(さきほどのザコオークから取得した通貨…そのデータ内に、雁田の独自技術により製作された特殊なウィルスが仕込まれていたのだ)
「くらえ!」
(偽りの表示上のデータではありえない速度の突進、そして鞭がソニアを襲った)
>>213
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