(黒木と呼ばれた男は玄随と同じ雰囲気を持っている)
(裏街道を歩く強欲な男、それが第一印象だった)
(他の侍らせていた女性たちが退き、自分と黒木だけの席となる)
(黒服が名前を言ったが、自分からも名乗っていく)
(心ならずも玄随やその他の外道を告発する為の潜入で覚えた事でもあった)
瑞穂と申します……はい、お注ぎ致します。
(隣に座り、更に黒木に身体を寄せて酒を注いでいく)
(これくらいは慣れた行為ではあったが、この先があるのは明白で)
(更にさっき、玄随たちに凌辱されて気をやった経験が不安を増していた)