(ウルトラの母の全力の光線を受けて、さしもの強靭な怪獣も爆発四散して……)
「……た、助かりましたね、隊長。ウルトラの母が来てくれなかったらどうなっていたことか」
「あんな狂暴な怪獣が都心に下りたらとんでもない大惨事になるところだったな」
「お前たち、気を抜くんじゃない。まだ、我々の仕事は終わったわけじゃない
研究セクションの解析に回すために、あの怪獣の死体を回収して後始末するまでが仕事だぞ」
「うへぇ……、気のめいる仕事だぁ……」
(その後、防衛組織によってサンプルとして回収されたドラコの死体は研究セクションへと回されて解析をかけられる)
(だが、回収された死体からは、ウルトラの母……東真理が探している「パス」は発見されず、行方不明となっていた……)
「……ドラコの死体に誰が触れたか……ですか? そうですねぇ、研究セクションの何人かはサンプル採取のために触れていると思いますが……」
「あ、そういえば三島部長が一番最初に死体を確認していましたね。いやいや、って感じでしたけど、一応仕事してる振りくらいはしなきゃってことですかね、あの狸親父も」
(研究セクションのメンバーが口にした「三島部長」とは真理の勤める研究セクションのトップで、防衛組織の中でも上級幹部に名を連ねる人物)
(……だが実際は中央官庁から天下りで来た、典型的な無能役人で……)