(ゆかの振り回すほうきとバケツは、むなしく宙を切った)
(しかし、彼女の肌を撫で回す手のひらのような何かの感触は、まったく離れる気配を見せず継続している)
(内ももを、おまんこを、お尻の尻たぶの間を、湿った感触が移動し続けていた)
『精液の臭い……ぎし……複数の、男の臭い……ぎしぎし……』
『若いのに、何人ものペニスを受け入れた臭い……ぎしぎしぎし……淫乱女の素質がある、からだ……』
『欲しい……この体、欲しい……逃がさない……とりつく……男好きのするからだ……』
(ゆかが扉にたどり着いても、ドアノブが凍りついたかのように動かない)
(ドアノブの回らない扉はもちろん開かず、ゆかは部屋に閉じ込められてしまった)
『男が欲しい……男と交わりたい……キスをしたい、ペニスを舐めたい、膣をかき回されたい』
『中出しされたいアナルを犯されたい精液を浴びたい精液を飲みたい精液を食べたい一晩中輪姦されたい』
『女の体が欲しい……男を誘える女の体が欲しい……性交に慣れた女のからだ……』
『気持ちいい経験がしたい……からだがあればできる……あなたも気持ちよくなりたいでしょう……?』
(ゆかの鼻に、ぷぅんとナマ臭いにおいのする空気が流れ込んでくる)
(とても濃い、精液の臭いだ。まるで顔に射精を浴びたかのように、強烈に臭う)
(さらに、口の中に、青っぽいエグみのある、ねっとりとした感触が生まれる。……精液の味と、食感だ)
(お尻とおまんこに、何か熱くて硬いものが、ぬるっとねじ込まれる感覚が襲ってくる。……男性のペニスに、犯されている感触だ)
(それは全て、その部屋に潜む何かがゆかに与えた、幻のようなもの)
(もしかすると、生前の気持ちよかった出来事の記憶を、ゆかに追体験させているのかもしれない)
『カラダをちょうだい……ぎし……幻でない、本物の、生での性交……あなたの体なら楽しめる……あなたも気持ちよくなれるわ……』
(ゆかの背後から、不明瞭な声が届く。頭のすぐ後ろに、何かがいる。シュシュにしがみつくようにして、囁いている……)
【そっちにしようかガチ怪談にしようか、こっちも迷いました(´・ω・`)】
【服脱がずに入ってたら、また違う展開でした。分岐が多い!】