(郊外の少し古ぼけた一軒家。そこが、体育教師矢島の自宅だった)
(一人暮らしの矢島は自分の趣味のために給料をつぎ込み、地下に立派な調教部屋を作っていた)
(そこへ、何人目かの犠牲者が連れ込まれる……)

……しょ……!

(薄暗い照明にてらされた、打ちっぱなしのコンクリートの地下室に鎖が軋む音が響く)
(矢島は滑車を使って、鎖でとある物体を天井に吊り下げたのだ)
(その物体は……)

くふ、ぐふふっ。
そろそろ、起きろよ、高咲?
(物体、とは、黒革のボンテージスーツを着させられた女子高生だった)
(高校生離れした巨乳と長い脚の彼女の両腕には、分厚い革のグルーブが嵌められている)
(グローブといっても指もなく、ぎちぎちに腕を締めあげ肘も手首も曲げることすらできない)
(拘束具といった方が良いものだ)
(その拘束具の手首の部分にはフックがあり、それが鎖に引っ掛けられ、少女を一本の棒のよう)
(吊り下げていたのだ)
(ジャージにTシャツという先ほどまでと同じ姿の巨漢の教師は、少女の名前を呼びながら)
(ペチリと軽くその頬を叩いた)