醜く、そして浅ましい…
こんな奴のために我が同胞たちは…
(体液だらけの顔をぐしゃぐしゃにゆがめ、あたりをのた打ち回る男を)
(心の底からの侮蔑をこめた視線で見つめ)
んっ…ぐっ…
なんだ…今の、まぶしさは…
さっきの…石、か…?
(獣人の動体視力は赤い光が目の前で走ったのは覚えているが)
(途端に霞がかかったかのようにぼやけた頭では、そこから先を理解できず)
チンポ…ザーメン…
…欲しい…んっ…ぐっ…ふざ、けるな…
何がいい、とかそういう問題では、ない…っ…
獣人族の戦士に対し…チンポ、ザーメン…
賄賂などでどうこうしようという、その魂胆自体が…欲しい…
チンポ、チンポ…っぐ…ぅ…汚らわしい、豚の発想だ…!
(魔石の力のつめは確かにレーヌに食い込み始めている)
(が、怒りにたぎったレーヌの精神は閃光程度では折れず)、
(ましてや思考や欲望の向かう先を改変されても)
(「賄賂で動く者と見られている」という屈辱がその正気をかろうじて支え)