(いちおう世間では魔道士という肩書きで通っているが、その職業に似つかわしくない明るい陽光が燦々と降り注ぐ室内
屋敷の周りは薔薇園で取り巻かれ、白漆喰で固めた壁の瀟洒な洋館が住まいで)

んーと、あれはどこだったかな…

(壁際の高い位置には鉄枠に囲まれ、物々しく銀鎖をかけて嫌魔結界を施した中に
“屍食教典儀”と題名の書かれた部厚な革装丁の書物が掛けられてある)

ま、いいや…というかあいつの姿も見えんな?

(キョロキョロと辺りを見回しながら、首から提げたチェーンの先の
小さな骨としか見えないものを唇に咥えて息を吹き込むと、見掛けからは想像できない低い音色が響き渡って)

おーい?アロエ〜?どこだー?

(先日召喚に成功して、今まさに吹いたアイテムの力で支配下に置いた悪魔の名をペットでも呼ぶように呼ばわる)