(バイブとローターの振動に震えながら、人通りの多い通りを歩く。)
(数歩前には以前にも自分を買った少年。)
(少年の後に付き従うように、黒尽くめの女が歩くのはとても不審で。)
(周囲の視線に、いっそう俯き挙動不審になる。)
う、あ、は、はい…あ、ああ…。
(軽快な足取りで進む少年に、もたもたとついていくのが精一杯で。)
(すぐに間は開き、置き去りにされる恐怖に震える。)
あ、ま、まま、待って…あ、ごご、ご、ごめ、ごめんなさ、あ…。
(人にぶつかり、異常なほどどもる口調で謝っては不審げな視線に怯え。)
(少年の後を追って、建物の隙間に入り込んでいく。)
はぁ…はぁ…えふっ…。
お、おお、お、おま、お待たせしし、しましし、しました…。
(人ごみの中を、少年の後を追うだけでも軽く息切れして。)
【改めて、よろしくお願いします。】