手首だけでなく指まで固定されているために、縄抜けもかなわない。
抵抗できない状態で男と二人きりになったことで、いやがおうにも不安に駆られる。
あのときのように無理やり男に犯されるのではないか…
男が自分の財布を拾って懐に入れるのを見て気がつく。
「そんな…」
確かに男の言うとおりだ、自分の持つ財産は奪われ、今回の件が解決できなければ恋人と結ばれることもかなわない。
お互い、雇われの浮き草稼業だっただけに、今回の件が解決すれば結婚したかった…そう恋人に言われたからこそ、自分は相手を追ってきたのではないか。
男に引き起こされるまま隠し部屋に引き立てられる。
「痛っ……あんたを満足させたら…帰してくれるんだね…密書」
自分の乳房を乱暴に揉む男がなにを要求しているかはわかる。
二三度、口と胸で逝かせれば満足するだろう。
恋人以外に対してそんなことをするのは耐え切れないが…
それでも彼のためだ
そう心に決める。
「だったらこれを外してよ。たっぷりと…そう、たっぷり満足させてあげるよ」
【こんな感じでよろしいでしょうか。
恋人はそれほど精力がないため、せいぜい二三度の絶頂で満足しているから、男は皆そんなもんだと考えている感じです】