「ちゃんと晩ご飯食べれたの? クルロスさん達長旅して来たんだか
らお腹すいてるんでしょう?」
「みんな、人間や他の種族と仲良くするの苦手なんだ」
「僕達はお父さん達から聞いた事しか無いけど、昔人間達と戦争した
って、でも、お爺さん達はその前は仲良かったって言ってた」
(共存から戦争、そして敗戦と言う歴史を体験した二世代間の相反す
る証言と、今、自分達の前に限定的にだが現れる外界の住人達)
(その差異を疑問に思いながらも子供ながらに理解しようと努力して
いる様子が伺えて)
「本当? ありがとう、クルロスさん」
(閉鎖性が高い上に平民の子供故に衣服の持ちが少ない為に着こなしが
限定的な事を気にしていたが、それを褒められ嬉しそうに笑顔を浮かべ
て礼を述べて)
「クルロスさんの手って、大きくて温かくて気持ちいいな」
(照れ隠しに頭を撫でられる感想を素直に述べるが、指先が毛長耳に触
れると、そこをピクンと揺らし小さく声を上げてしまう)
「んっ! はあぁ…」
(僅かに頬を赤らめ、毛長耳と背中の羽根を小刻みに揺らす仕草は、先
程の好意が感じる物だと教えていて)
【意識していないのが、クルロスの行為で意識し出して行く感じで】