>>331
三体のバトルロボットの登場に、ギャラリーはどっと沸きあがった。
卑猥な衣装に身を包んだマリオン…ミニオンクルーンは、まるでなにかのヒロインショーのようでもあり
そういったシチュエーションを含めて、人気のある演目だった。

「そらそら、逃げてばかりではどうにもならんぞ!たたかえ!キックやパンチを見せてみろ!」
「ははは、それは無理じゃないですかねえ。あのタイプは、あくまでセックスドールとしての範疇で作られていますからねえ」
「機動性も、耐久性も、ナニのためだけにした持たせられていませんからな。下手に戦闘プログラムなどをインスコしても面白くない」
観客は酒を呷り乍ら、めいめいに感想を述べ合い。マリオンの必死の行動をつまみにしている。
高いヒールでよたよたと逃げ回るさまや、恐怖の表情、悲鳴は極上の肴だ。

「ああっと!ここでミニオンクルーンが反撃に出たー!なんとロボットの配線を引きずり出し、動きを止めようという作戦だー!」
ずるずると引き出されたコードは、基板からブツンと引き抜かれ、身体に電力が供給されなくなったロボットは
バランスを崩し、その場でひっくりかえった。
ガギガガガガ!と、四肢をでたらめにうごかし、顔はガタガタと震えるのみだ。
倒せる。セックスドールでも、頑張れば倒せる。そしてその先には…自由がある。
わずかな希望が、ミニオンクルーンのAIに宿るだろう。

<そうだ、倒したら観客にアピールしろ。お前はヒロインのミニオンクルーンだ。悪のロボットへ立ち向かえ>
指示が飛ぶ。
次のロボットが腕を振り回しながら、ミニオンクルーンへと襲い掛かっていく。
でたらめだが素早いアームの回転は、ミニオンクルーンの衣装や、人工皮膚を掠め
ジョジョに削いでいく