>>54
(熱に手を伸ばし解き放って来ないものか、と思う)
(思うだけで命じないのは口付けに夢中なのと、その頃合が司の負けの時間だと思うからで)
あァ、……っ、は…!
(お互いすっかりと吐息を唇から零し、)
(咥内を巡る舌が端に寄れば溢れた体液が司の頬を伝いそれもまた零れていった)
(強張りも身を震わせれば若干弱まりを感じ、そこへいつも彼女に促すように)
(腰を前後ばかりでなく左右、円まで描いて熱の塊で煽り立てる)
(おまけには乳首も共に、親指で乳房へと押し込んで甚振って嗜虐しようか)
んー……、ん…ん、ん…
(暫く焦らすように舌をまごつかせ、唇を摺り合わせるだけで居たかと思うと)
(司の顎を持ち上げ、より確かに唇を捧げさせる角度に整え――ドロドロに溜め込んだ唾液を移していこうとして)
(咥内ばかりでなく喉まで自分の体温で犯すつもりで、じ…っと見つめたまま)
(それを最後に誘いも兼ねてゆっくりと舌を抜いていき、)
(乳房を掴んでいた手も、頂点まで爪先を這わせ離れていってしまう)
―――ハ……ん
(そうして身体を起こすとどうだろうかと首を傾げて、腰を揺らがせて)
(言葉は無しに、彼女へ降参と続きを誘ってみる)