>>56
っふ、んんっ……ふぁ……あっ……
(押しつけられ十二分に存在感を味わわせる塊の熱が移ったように下腹部が熱を持ち)
(同時に、僅かに痛みを感じるくらいに荒々しく弄られた乳首からも甘い痺れが背を駆け上がって)
(ソファに押し込められた身体を捩るが、逃げ出すわけではなく)
ん、ふ……は、んんっ……
(厭らしく腔内を弄んでいた舌が動きを止めれば、物足りなさを覚えて)
(自分から顎をあげようとしたところでさらに深く口づけられ、ぬめる唾液を流し込まれて)
(間近で見つめる視線に耐えきれず、ぎゅうと目を瞑って喉を鳴らし、唾液を飲み下して)
(それを最後に離れていく舌と手を、追い求めたいーと思う程に勝負を忘れていたが)
ふ、は……あ……
(ささやかな抵抗などなんの障害にもならなかったと、ぼんやりと考えながら)
……最初から、勝負する気、無いだろ……
(わずかに熱を上げたように感じる頬の色は、男にははっきりと赤く見えるだろう)
…………
(先ほどのように攻守逆転、と体勢を入れ替えるわけでもなく、かといって甘えるでもなく)
(ぎゅう、と男の胸を引き寄せて、額をおしつけ顔を隠して)
――ここ、じゃ、やだ……
(降参に等しい台詞を口にして、言外に自分の部屋へと移動したいと伝える)