>>152
痴漢の手で尻を撫でられる、どころか胸まで揉まれる状況にあって、声を上げない女の心理とは如何なるものだろうか。
羞恥か、恐怖か、或いは忍耐か。
公共の場で辱められ、下手に抵抗すれば次に何をされるか分からず、ただ耐え忍んで行為が終わるのを待つ。
程度の差はあれど、凡そそんなところだろうか。
だが――

「んん……っ」

――痴漢の動きに合わせて身を捩りながら、先程までペットボトルを舐めしゃぶっていた唇から、甘い呻きを漏らす彼女の場合はどうか。
まるで、そうなるのを待っていたかのように、心なしか笑みを浮かべてすらいるように見える。
人妻の尻たぶがきゅっと締り、男の手を挟み込んで捉えた。
そのまま腰をくねらせれば、むっちりとした肉の弾力がゴツゴツした指を飲み込んで、指先は容易くスカートの上から彼女のアナルへと導かれる。

「ぁ……」

長い睫毛をそっと伏せたままの瞳は、早くも潤み始めている。
窓に映る背後の人影をチラリと見遣り、その目は再び下へと向いた。
服の上から乳房を捏ね回す男の手に、伝わってくるのはこの上ない柔らかさとボリューム感だ。
片手では掴み切れないどころか、両手であっても足りるかどうか。
それが、まるで突き立ての餅をこねるかのような温もりと柔らかさを以って、男の手の平に肉の重みを返してくる。

「ん……ふぅ……ぁ」

呻きは、いつしか喘ぎにも似た吐息へと変わっていた。
夫と、そして夫以外の男たちによって、開発され尽くした人妻の淫らなカラダからは、汗の匂いが混じった甘い香りが立ち上っている。
無遠慮で身勝手な愛撫を受けながらも、ぎこちない動きでどうにかペットボトルをバッグへしまい込んだ彼女の手が、尻を触る男の手首をぎゅっと掴んだ。
そのまま、そっと手を尻から離す。
スカートが食い込んで形を露わにした、人妻のヒップが後ろへと僅かに突き出される。
手の代わりに、背後のサラリーマンの股間を肉たぶの間に納めると、再び彼女の腰がくねり出した。
そうしてから、掴んだ手首を解放した彼女は、電車のドアに両手をつき、もたれるようにして体を支える姿勢を取った。
まるで、それが当然のことのように痴漢行為を受け入れ、男の欲望に応えて見せる彼女の姿は、まさしく痴女だ。
その乳房の柔らかさを堪能するサラリーマンは、すぐに気付くだろうか。
それとも、極上の感触に酔いしれて、それどころではないだろうか。