>>30

うん……っ、これならちょっとぐらい、戦える……
(ここでの武器の取得は精神的にもプラスになった)
(まだ戦える、そんな少しばかりの希望が水路を進む背中を押してくれる)


…………あれ? なん、だろう……?
(しばらく歩いていくと変わり映えの無い風景に、変化が訪れる)
(梯子のような、壁に設置されたもの……直感的に出口だと思った)

………! やっ……、………あれ、なに…………?
(ガッツポーズを決め、喜びに声をあげようとするも横目に入った存在を見ればその気は失せてしまう)
(ポコポコと湧き立つ水泡、注視しているとそれはじりじりと近づいてきている)
(こっちは絶対に良くないものだと思っては、心に焦りが募る)

……………! この、ままじゃ………
(向かってくる水泡が悪いものの何かであれば、どうする。突然の選択に迫られ、鉄の棒を握る手に力が入ってしまう)
(戻ってもこの先を進んでも、目の前の出口のようなものがある保障はない)
(しかし、格子に阻まれた出口に間に合うかどうかは自信がないところ……)
(折角手に入れた武器で戦いを挑むことも考えたが、足場は限られていて中央の深みに入れば敗北が決定するリスキーなもの)
(現在分かり得る情報で下した決断は、そう遅いものではなかった)


……………!! ていやーーーーーーーーーーーっ!!
(そんな可愛らしい掛け声とともに水路の中央へと飛び込む)
(しかしその背中に荷物はない、そして手にも先ほど手にした鉄棒や盾すらもない)
(身体一つ、それで得られる身軽さにかけて今この場を乗り切ることに集中した決断だった)
(ざぶん、という音と共に水中へと消えていく身体。すぐに格子へと向かって泳ぎだした)


【乱数判定(全装備(ペンダントと首輪以外)を放棄して梯子に向かって泳ぎだす):3】

【妊娠判定:5】







【はいー……お願いしますー】
【英断をしてみたけど、少し乱数値が低すぎるような……】
【いざっていう時に乱数値が悪いのは余裕がある時だけだと思っていたのに……!】