>>483
≪『BlueMoon』よりメールを着信しました≫
―ウフフッ…御機嫌よう、蒼クン…
お巡りさんにこのアドレスのことは言わなかった様子…命拾いしたわね?…なんて
あなたが私のファンであることも知っているの・・・いい子ね。
だからお返事してくるのは分っていたわ。あの時の続き…もっと深く、私と繋がりましょう?
下記の場所でお待ちしているわ・・・
○◎門・3−2−9 『インペリアルホテル』・クィーンルーム

―ピロッ♪≪送信しました≫
うふふ…♪
(ある平日の午前、掃除機を片手に携帯をいじるスミレ、送信すると、後ろで三つ編みに纏めた亜麻色の髪を揺らし)
(地味なしまむらのワンピースの上にエプロンをかけた出で立ちで、手際よく掃除洗濯をかたづけてゆく)
(残るは蒼の部屋…積んであるプライベートの書籍やメディアは触れない…訳がない。)
(元の場所に寸分たがわず戻すことなど、スミレにとっては造作もない)

―あらあら…まぁ…うふふ…♪
(怪盗ブルームーンのコスは、愛する息子のエロメディアを参考にしている・・・その姿がメディアに載るたび)
(妖しい、インモラルな官能の高まりに身を浸すのがスミレの秘めたる性癖だったのだ)
やっぱりあのコスチュームは正解だったわね、とっても興奮してたもの…♪
(やがて母の家探しの魔手は蒼のPCに伸びる)
(―カタッ、カタタッ)
(普段は少々メカ音痴な主婦を演じているが、白魚の手がキーボードにのった途端その仮面を脱ぎ捨て、馴れた手つきで息子のPC内の画像や動画、履歴をチェックする)
あら…随分何重にも…クスッ♪ちょろいちょろい…(カタタタタタタタッ!)
(手元がぼやける程の超光速ブラインドタッチで、たちまちセキュリティを解除し息子のPCを掌握する)
まぁ…うふふ、
(そこには母子モノの画像や動画が大量に)
面白いこと思いついちゃった・・・♪
(悪戯っぽい少女のような笑顔が、PCスクリーンのバックライトに白く映えた)
(最後に鼻歌交じりに、綺麗に畳んだ蒼の服を置いて…)
(スルッ)
(腰をかがめて、裾たくし上げて今の今まで履いていたショーツを脚から引き抜き、中に紛れ込ませた)

(―インペリアルホテルにて―)
『いらっしゃいませ…蒼様お待ちしておりました、こちらでお待ちです』
(初老の執事風な男性が、大理石のロビーで葵を出迎え最上階のクィーンルームへ案内する)
(豪奢なベッドルームへ通される…都会の夜景が一望できる非日常の空間は、しかし誰もおらず)
―クスクス…♪
(突然背後の男性が、鈴を鳴らすようなしっとりとした声で含み笑いをはじめ)
(―ビリッ、バリリッ!)
(リンゴの皮を剥くように表面が引き裂け散って…そこには)
うふふ…
(あの時のままの、淫靡なコスチュームのブルームーンが)
いらっしゃい、蒼クン…来てくれてうれしいわ。
(妖艶な微笑を湛え、立っていた)

【お待たせしたわ…むりくりだけれど、日常パートを入れたくて…無理に返す必要は無いからね?】