>>274
そうですね、男性教師と女子生徒と言う事です。
では始めさせて頂きます。

・・・

放課後のチャイムが鳴り響く。
クラスメイト達はやっと退屈な授業から開放されたといった表情で、各々いろんな会話を繰り広げている。
そんな中わたしは一人、暗い表情を見せていた。
それに気づいた何人かの友人達はわたしを気遣ってくれたりしたのだが、その想いをやんわりと拒絶してしまっていた。
こんな事、友人にだって話せるわけがない。
「はぁぁぁ……」
重いため息が出るだけであった。
そんな時、先ほどの友人の言葉を思い出す。
――たまには気晴らしでもした方がいいよ。
そうしようかな…。
どうせ今日もバイトは休みの連絡を入れてあるので、放課後は時間もある。
バイトをする為にクラブ活動もしていなかった。
そうだ、部活とか、覗いてみようかな…。
そうして気晴らしがてら、わたしは校内の部活の様子を見て回ることにした。

そしていくつか回って、次にやってきたのは美術室だった。
ここでは美術部が活動をしているようだ。
わたしはなるべく大きな音を立てないように後ろのドアから入り、予備の丸イスの上に座った。
今の時間はみんなデッサンの練習をしているみたいだった。
教室前方でモデルの像をみんなで囲んで、ペンを走らせているところだ。
生徒の数はそこまで多くなく、4〜5人程度。
見知った顔の子もいなかった。
ふと、美術部の顧問の三上先生と目があった。
わたしは会釈をする。
前から思っていたけれど、三上先生はとても綺麗な先生だった。
あまり会話はした事はないけれど、美術の時間では分かりやすい丁寧な授業でわたしも助かっていた。
それに、困ったときには色々ためになるアドバイスをくれるという話があり、実際クラスの何人かが三上先生に相談しにいっていた。
わたしの悩みも先生だったら聞いてくれるだろうか…。
そんな事を思いながら、美術部の活動を見続けていた。