(ワルツの登場に観客席はワッと歓声を上げた)
(巨大スクリーンとは別の、角度的に観客しか見ることができないモニターには、また違う映像が映し出されていた)
(今日の生贄、と題されたテロップの元、ワルツの全身の直立映像が映し出されていて)
(それがゆっくりと回転しながら、肉体のステータスが次々に表示されていく)
(3Dモデルらしいそのワルツの顔がアップになると、ビシャっと血のテクスチャで覆われた)
<<非常な処刑人!!ミンチメーカー!!>>
(片方から、筋肉が凶悪に発達した大男がズシンズシンと登場した)
(その顔は金属の面で覆われている。一声吠えると拳と突き上げ、ワルツを見下ろした)
てめえが今夜の生贄かぁ?このデブ猫がぁ!?
クソ生意気なクソ獣が!お前の皮で剥製を作ってやるぜ!!
(身振りを交えての挑発に観客は大いに沸いた。鼻息がかかる距離での睨み合って)
(コーナーへ戻ると、みしりと筋肉を震わせて構えた)
(ゴングの甲高い音が鳴り、試合がはじまった)
(同時に、無造作にワルツへ歩み寄る。両手は下がったままだ)
おらケダモノビッチ!ビビってんのか?こいよ、おまえのそのぬいぐるみみてえな手で攻撃してみろ!