(心配したように、叔父さんが話しかけてくる)
え、えぐっ…ぼ、ぼく、ぼくっ…うぁ、ぁっ…
(話そうとしても、頭の中が混乱していて上手く舌が回らない)
(震える千歳を叔父さんが慰めてくれる)
う、ぐっ…ふ、ぁ…ふぁい
(少しだけ落ち着きを取り戻し、叔父さんが示してくれる方向に歩き始める)
(泣きながら歩く千歳を、行き交う人たちが怪訝な目で見てくる)
(千歳がそれに気を使う余裕などなく、示されたまま宿屋へと入っていった)
(宿屋の1階は酒場になっていて、千歳でも飲食はできるようだ)
…こっち…?
(宿の受付ではなく酒場のカウンターを示され、そちらにトコトコと歩いていく)
(椅子に座ると、カウンターの向こうのオヤジさんが、ミルクティーを出してきた)
(どうやら、叔父さんが操作で注文してくれたらしい)
…ありがと…
(両手でコップを持ち、コクコクと甘い紅茶を飲んでいく)
(すると不思議な事に、脳裏にこびりついていた酷い記憶が薄れていく)
…美味しい
(落ち着きを取り戻した千歳に、叔父さんが話しかけてきた)
(何があったのか聞きたいらしい)
…んと…あの、何か、ひどい事、されたの…
何だったのかあんまり覚えてないんだけど…何か、すごく痛くて……何だったっけ…
(思い出そうとすると気持ちが悪くなってくる)
…思い出したく、ないよぉ…
(フルフルと頭を振り、残りのミルクティーを飲み干していく)
(ミルクティーのおかげで、あれほど陰鬱とした気分もある程度治ってきた)
…ねぇ、叔父さん……やっぱり、ゲーム続けないと、だめ…?
(落ち着いた今では、続けないといけないのは分かっている)
(でも幼い千歳は、また踏み出すために、叔父さんに励ましてもらいたそうだった)
【続けやすいのは、記憶がなくなる方、かなぁ】
【あ、でも叔父さんの好みだけど、記憶がぼやける感じでもいいよぉ】
【記憶とか曖昧な感じで復活する薬とかアイテムとか使っちゃえばいいかな、とか思っちゃうけど…】