修繕まで、ありがとうございます。
(素直に礼を言うのはまったく裏を知らないからで、それ故に無防備な状態と言えた)
は、はい……んっ!?んぅ……。
これ、は……んぅっ!?く、ぅ……ふ、ぅ……くぁぁっ!!
(符を貼られるのを気恥ずかしそうにしながら呪文が唱えられるのを見ている)
(治癒の呪も特に違和感もないため、そのまま受けていると符を貼られた箇所が熱くなってくる)
(特に背中は痛みを伴っており、昨夜の体験を繰り返しているような感覚すらあった)
はぁ、はぁ、根がまだ……?
んくぅぅぅぅっ!!!?あ、く、はぁ……衝撃がすごい……。
(電撃を受けたような衝撃とひりつく様な感覚に襲われ、背を反らしながら耐える)
(何らかの術を掛けられている認識はなく、呪いとの拮抗が生んだ反発力に感じていた)
外傷はそんなでもないですが……お願いします……。
んぅ、う、く……ぅ、ふぅ……っ。
(擦り傷に限らず負傷は付き物の稼業故に気にしていなかったが、折角だからその治療も受けておく)
(自分で術を使うよりは遥かに楽に、ただ必ず治癒箇所に一旦は熱さなどを感じながらも治療が終わる)
(気怠さが一掃されたような感覚があった)
飲まされ……ました。
んく、んく……んんっ!?のどが一瞬……?
あ、そうですか、ありがとうございます。
そちらも徐々にでも解呪出来れば、お願いします。
(そう告げると修繕された服を着直して、昨日に治療院を訪れた時と同じ出で立ちになると一旦帰宅する)
(胸ポケットにあったメモを見て、治療途中ではあるが昨日の今日ならという思いもあって入念に準備を始める)
(しかし、出発直前になって脹脛に刻まれた淫紋がその効果を発動するとたまらない淫欲に襲われるのを感じる)
(その効果を無理やりに抑えつけたのは意地でもあり、相手を倒す事でこの恥辱は晴れると考えていた)
(感覚封じの符を自分に貼り、日が落ちた頃に家を出てメモの場所に向かう)
(メモの場所、普段から人気が無くテナントも入っていない廃ビルを確認すると気配だけは感じられる様にして中に侵入する)
(こんな所で敗れればただでは済まない事は百も承知だったが、先制攻撃で何とかなると見通しを立てていた)
(しかし準備した符の効果、特に感覚封じなどは結界術で無効化される可能性があった)