>>11
(胴の処刑をはじめるぞ、と彼女は言った。
 呆然と呼吸を繰り返しながらそんな美鈴の手の中を七瀬は覗き見る。
 そこにあったのは苦悩の梨。
 中世の魔女狩りの時代、インキュバスと交わったと疑いをかけられた
 数多の無辜の少女たちの陰部に挿入され、彼女たちを内側より引き裂いた……処刑のための道具である。)

「終わるんだ、ね……もうすぐ。」
(もちろん、この梨が即座に彼女を永遠の眠りに誘うほどのものじゃないことはよくわかっている。
ただ、これまでの手足への拷問とは異なり、この刑具がその本来の凶悪さを七瀬の中で存分に発揮した場合
あとはもう、短いか長いか、どちらにせよ不可逆な性質のカウントダウンが始まる、ということも彼女は理解していた。
そして、手足への責め苦を終えた美鈴は最早それを躊躇わないであろう、ということも。)

「んっ!ひぃっ!?」
(淫蜜にしとどに濡れた七瀬の大陰唇に冷たい感触が触れる。
 先ほどまでのバイブのものとは違う、金属の感触に思わず恐怖の声をあげた。)

「……ご、ごめん、ん、だ、大丈夫……だよ、そのまますすめ、て。」
(とは言え、苦瓜のひだによって効率よく拡張されていた膣は当初七瀬が予感したほどには苦労することなく梨を根元まで飲み込む。
 考えてみれば当然かもしれない、奥まで深く飲み込ませなければ、この器具が最大の威力を発揮することはできないのだから。
 そして、梨が胎内に馴染むまでの放置の時間、そして、美鈴からの問いかけの間に七瀬は語りかけた。)

「だい、じょうぶだよっ。すごく、冷たくて。先のほうがちょっと痛い、けど、これなら何とか、ね。」
「でもね……っ、今のうちに、言い残しておくね。」
(先ほどのバイブとはまた性質の異なる、股間を埋める冷たい異物感に耐えながら苦しそうに七瀬が語りかける。)
「たぶん、これ、開いちゃったら……もう、ちゃんとお話できなくなる、から。」
「あの、ね。約束、してほしいんだ。私は、仕方ないと思う……よ。でも、もう、これからは誰も殺さないで。
 ん、嘘でもいいよ。だから、お願い、首を横にだけは、振らないで……いつものとおり、考慮しておく、って言ってよ。
 もちろん、美鈴さん自身も、だよ?もう誰も殺さないで……生きて。そうしてくれると、探偵としても少しは、救われるん、だ……。」

(そうやって語りかける彼女の内側からゆっくり、ぎりぎりと螺子の音が響き始める。)
「ん、大きく、なってきた。それじゃ、さよなら、だね……。たぶん、私、もう話せない、から。」
(最初のうちはまだ思ったほどではなかった。金属の冷たさによる痛みこそあったが
 愛液に絡み、ぬめり気を帯びた先端の刃には十分耐えられる、と思ってた。)

「ん……く、ぅっ!?」
(が、いつしかショーツやスカート、それに腰ベルトからの外側からの圧迫と
 開いた梨による内側からの威力。彼女の下腹部が膨れ上がるとともに双方がともに牙をむき始める。
 いつからだろう、顔からぼとぼとと脂汗が落ち始める。
 まさか、彼女はこのために、服を脱がなくてもいい、と言ったのだろうか。
 いや、そんな……ちがう。美鈴はそんな無情な人じゃない、だって、だって、もしそうだとしたら私を看取ってくれる人は……。
 そして、彼女の内側にある梨のサイズがある一定の大きさを超えた瞬間。)

「!?☆!!1ウ、ウオオオオオオオオ!!!!!!!」
(突然の激痛に、七瀬の目の前で眩い光がちかりと爆ぜ、同時に下腹部からびりっと何かビニール袋のようなものが破れる音が聞こえた気がした。
 反射的に背筋を張り、その激痛に耐えようとするも、その行為はより彼女の腹部の内側を傷つけることにしかならず……。)


(彼女の膣から生えた豪奢な装飾の施された金属の取っ手。
 そこから最初はぽた、ぽたと伝うように数滴ほどの赤い血が流れ始め……
 そして、少し遅れてぶしゅうううう……っ、と激しい恥ずかしい音を立てながら、真紅の尿が噴き出し始める。
 
「グアアアア!や、こ、コロジ……で!!」
(ちょうど、生贄のこういう生理現象を予測し、玉座の真下に添えつけられた排水溝が
 七瀬の血尿を旨そうにからからと音を立てて飲み干している間。
 七瀬は玉座のうえで体を動かし、痛みをそらすこともできずただ、獣のように呻いていた。)