「えっ……いや、あの……?」
(自分の顔のほうすら見ず、ひたすら尻を撫で回し、頬ずりをする変質者。)
(その常軌を逸した表情に既に桜は恐怖とは違う、何か別の不快感のようなものさえ感じていた)
『うん、ちょっと汗の匂いがするなぁ… 』
「!!や、やめて!そんなところ……嗅がないで!きたない、よ……。」
(羞恥心に顔を真っ赤にして、必死で体を振り回し、ぶんぶんと首を振って抵抗する。)
(前側を責められるクンニとは異なり、肛門の辺りを刺激されてもくすぐったさこそあれ、快感などほぼまったく感じない。)
(そんな必死の彼女には……)
『声を出しても無駄だからね、他の部屋には誰も住んでないから』
(男の忠告すら聞こえない。ただ、男に制止を求め、あるいは周りに……居るはずのない誰かに)
(助けを請うかのように悲鳴をあげ続ける)
(そんな桜の声を無視するかのように男は桜のパンツをずらし、下ろし始め……ある程度おろしたところで)
(そっとはさみを差し入れてパンツの一部を切り開き、桜の下腹部より外し終えてしまう、そして……)
『これは毒だからね、お尻の穴にこんなの入れたら死んじゃうかも』
「え……死!?や……おねが……やめてください!」
(男に見せ付けられたイチジク浣腸、そこにはただのイチジク浣腸とは異なる何か得体の知れない赤い液体が混ぜられた跡が見える)
(恐らく、彼の言っていることは冗談ではないのだ。)
(あるいは冗談だとしても、相当に悪質な悪戯であることには違いない)
「今すぐ外して!家に帰して!」
『まだ入れないから大丈夫、最初によく解しとかないとね 』
(だが男は必死で体を強張らせ、ぎゅっと締めた桜の肛門、そこに……びちゃり、と音を立てて舌を当てる)
「いぎ……っ!?や、やだ……な、舐めないで!そんなところ!あんな怖いの……入れないで……。」
(恐らく、この舌の感触に桜が肛門への力を緩めたとき、あの赤い浣腸が挿し込まれるのだろう。)
(そして、それは桜の体内を巡り、不可逆的な反応を引き起こし……。)
「帰りたい……帰して、ください……。」
(変質者の舌の温度とは裏腹に肛門から体中に広がってゆく悪寒にぞっとしながらそれでもただ必死に括約筋を締めた。)