>>589
はぁ…….はぁ………っ、うぅっ!ぐうぅっ…!!

(シエラとリンの賭けの勝負が始まる)
(早速シエラは左腕で、胴体に刺さった比較的浅く刺さっているであろう一本の針を抜こうと掴み、息を止めて思い切り引っ張る)
(その針は浅く刺さってはいたが、周りの肉が反しによって抉られ、瞬間的な激痛が走り苦しむ)
(あとこれを79回繰り返さなくてはならない。シエラにとってはその数字はとても大きく、気の遠くなるものだった)

(それから、数十分。何本か抜いてやっと5本目に手をかけるシエラ)

……ふっ…!……っ!!あ"あ"っ!!ぐっうぅ…!!
………あ"あ"あっ!!

(抜く瞬間に痛みを想像して手加減してしまったのか抜くのに失敗し、ただ体内を傷つけただけとなる)
(息を荒らげながら、失敗した針を握り直しもう一度引く)
(今度は抜けたが、失敗した時のダメージと恐怖が大きくて左手に震えが現れる)

あ、うぅ……だめ……震えないで……
……っ…!!ぎゃぅっ!!あ"あ"ぁ痛いぃ……

(脚に刺さった針を掴む。自分自身に震えるなと言い聞かせながら……しかし、震えは止まらず、うまく力が入らなかったため、また自分で痛めつけることになった)
(失敗した傷口からドクドクと赤黒い血が滲む。もうこの針は抜けない、そう思ったシエラは他の針へと移る)

……ふぅぅ……、ぅっ…!!ぐぅっ!……あぁぁっ……

(今度は腰辺りに刺さった針を掴んで、深く息を吐いて落ち着かせ、一気に肉ごと引き抜く)
(抜けた。抜けてもこの激痛。あと何回やればいいのだろう。永遠にも思える)
(失敗した傷口から漏れる血がシエラの周りを囲むようにして広がる)

………ふぅっ…!…がっ…!!うぅあ"っ!……げほっ……

(次に腹に刺さった針。抜く力を加えるが意外にも深く刺さっていて抜くのに手間取る)
(抜けた頃には、手は震え、腹は血まみれ、口からも血を吐き、とても酷い状態だった)

…………………ん"ぅっ……あ"っ…!

(次に脚の針を掴むが、なかなか力が入らない。)
(抜かなければ拷問再開、抜けば激痛。逃れられない恐怖と痛みに脳が拒絶しているのだ)
(踏ん張って力を入れても、針はゆっくりと肉を削りながらでしか抜けない)
(ゆっくりと肉を削る痛みも相当なもので、一度針から手を離す)

…………もう……無理…です………

(終わりの見えない賭け、こんなにも苦しんでまだ10本も抜けていない。追いつめられたシエラは遂に、諦めの言葉、つまりはギブアップの言葉を口にする)
(ガタガタ震える手と、怯えた涙目をリンに向けて)