…い、いやぁぁぁぁあっ!!!
(動けなくなったシエラの右脚に振りかざされる金槌。振りかぶってから一秒も経たぬうちに容赦なく振り下ろされた)
(金槌は右の膝関節を粉々に砕き、もうシエラの意思では動かせなくなる)
(まるで人形の脚のようになってしまった自分の右脚を見るシエラの耳に鋸が動く恐怖の嘶きが聞こえた)
…っ!あ"ぁあ"ああああきゃあ"ああぁ!!!
(鋸はシエラの粉々になった膝よりも少し下の部位に食い掛かると、噴水のような血しぶきが上がり、部屋中に血が撒き散らされ、リンの白銀の髪や顔にも返り血が付く)
(鋸の刃がガッチリと肉に食いついて逃げられない。絶叫しながらシエラは自分の脚が切断されるのを待つことしかできなかった)
(あっという間に右膝から下が分離して、すぐさま右腕と同じようにバーナーで傷を焼き埋められる)
(激痛で悶えるシエラの目に映るのは、幼い少女が大切な人形を抱きしめるように血みどろの脚を抱いて、時々脚の血を舐めたりして、嬉しそうに微笑むリンの姿。その笑顔はまさに狂気でしかなかった)
はぁっ…はぁっ……もう…いやぁ…
(右腕も右脚も失い、1人で立つことすら出来なくなったシエラ)
(もう逃げられない。リンはお人形さんを扱うような口調でシエラに話しかける)
(シエラは鼻歌交じりに目玉をくり抜くための針を探す自分の血に濡れた狂人の姿を光の消えた虚ろな目で見つめる)