あのっ…誰か、誰かいませんか!
(なおも声を上げる渚)
(その目の前にある扉のノブが、カチャリと音を立てた)
あ、あのっ…え…?
(勢い込んで助けを求めようとした渚の声が止まった)
(扉が開き、その奥から見知った顔の少年が入ってきたからだ)
あ…え…?
(呆けたように呆然として、入ってきた少年の名前を思い出そうとする)
(以前渚に突然告白してきた、教室ではほとんど目立たない男子生徒)
(眼鏡の奥の人間味のない瞳が怖くて、その場で振ってしまった男子生徒)
(少年は持っていた鞄を置くと、正面のソファーに腰をかけて話し始めた)
(縛られた渚を見ても、驚くどころか教室での会話のように普通に話しかけてくる)
あ…浅、間君…?
(ようやく少年の名前を思い出した渚は、まだ呆然としたまま呟く)
(そして今の話に、重要な単語があった事に思い至る)
く…薬って…
あ、あたしをここに連れてきたの…浅間くんなの!?
ななんで…何でこんな事…それに、ここどこなの!?
(もしかしたら、目の前の同級生が…という不安と恐れ)
(恐怖で引き攣りそうな表情で、渚は浅間に問いかけた)
【その設定も大丈夫ですよ】
【渚はどちらで壊されても大丈夫なので、そのあたりはお任せします】