>>101
(絨毯の上を選びながら歩くのに精一杯だった私は紙のことなんて忘れていた)
(紙に変化があるかもって発想はまるで思い浮かばない)

階段とロッカー……だよね?
このロッカーが下駄箱代わりなのかな

(奥に進んで行くと、階段とロッカーが見えてくる)
(上の階に行く前にまず靴をどうにかしたい私は、先にロッカーを調べることにした)
(私は真っ直ぐにロッカーに向かわず絨毯の敷かれているルートを選んだ)
(だって、床の上を直接歩くのは冷たくてイヤだし……)

ひぅ……っ!?

(その結果、最初は気付いてなかった鹿のオブジェのそばを通過してしまったらしい)
(唐突に、存在すら知らなかった鹿のオブジェの落下に遭遇)
(真横でしかも動物の首が落ちるというのは、作り物であっても怖い)
(心臓が飛び出るかと思った)

し、鹿……??
さっきの見られてる感じってコレだったのかな……

(バクバクと激しく跳ねる心臓を落ち着けて)
(少し冷静さを取り戻した私は、鹿のオブジェの側にしゃがみ込んで調べてみた)
(首だけで、しかも落下しているのにこの鹿から視線を感じた)
(少し考えてから、監視カメラみたいなのかな?と取り敢えず結論付けた)
(不意打ちで驚かされてしまったけど、それ位しか思い浮かばないし、カメラなら怖くない)
(鹿のことは放置してロッカーに向かう)
(向かおうと、した)

ひゃっ!?

(ロッカーに辿り着く前に何かが足に触れて悲鳴を上げる)
(視線には気付いていたし、気になってはいたけど、その時まで私は一度も振り返ってない)
(鹿をカメラだと思い込みたかったから……それが失敗だったみたい)

さ、さっきの鹿……?
なによ、この舌? ……ちょっと、どこ触……っ……いや
やめて……そんなとこ……!

(振り返った時には、すぐ後ろに鹿の首があった)
(勝手に動いたというのもそうだし、何より舌を伸ばしているのが不気味だ)
(さっき調べた時より遥かにイヤな感じがするからソレから離れたかったけど)
(足に絡み付いた舌を取り敢えず掴んでみても、すぐ解けそうにない)
(引き剥がそうと私が必死になってる内に、舌はスカートに入って下着に触れてきた)
(直感で、私は制止の声を上げる……が、それを無視して鹿の舌はショーツの中に入ってきた)

……ゃ、あ……っ

(自分で触ったことすら殆どない場所を不気味な舌に舐められ、思わず眉をひそめる)
(毛なんて生えてなくてピッタリ閉じたソコは、抵抗が無くて動きやすかったのかも知れない)
(鹿の舌が滑るようにショーツの中で暴れていく)
(ムズムズして、それから何か変な気持ちが湧いてくる)

この……っ、やめてって!!

(これ以上はイケナイ……そう思った私は、足に絡み付く舌を渾身の力で握り締めた)

【わ、私の考え方次第……?】
【それなら人ってことでお願いするわ! ……お願い……します】