ぇ、うわわわ……っ

きゃあああ!!
(あと2、3歩で壺を覗き込めそうな位置で)
(私の足は緋袴の裾を踏んでしまい、畳の上を滑った身体が前へ倒れて)
(盛大に転んでしまった)

痛たたた……
なんなのよもう……っ、う……♪
(仰向けに倒れてしまったけど幸い顔は打たなかった)
(気を取り直して起き上がろうとしたけど、体はまだ火照ったままで上手く動かない)
(それに袴が脱げてるみたいで、お尻や太もも辺りが涼しいし)
(なぜか上衣もずり落ちて肩の辺りが露わになってしまっていた)
(袴は(多分)帯が解けたんだろうし、それで裾を踏んでしまったんだろうけど、なんで上衣も……?)
あ、そうそう壺は……あああっ!!!!
(仰向けから辛うじて上半身を起こした体勢のまま、ふと思い出して壺の方を見る)
(するとそこには無残にも割れてしまった壺の姿があった)
(……そう言えば倒れる時に指が硬いものに触れちゃった気がするし、なんか割れる音も聞こえたような)
…………
(弁償しなくちゃいけないんじゃ……でも壺の値段なんて払えない……って考えで思考がストップ)
(起き上がりかけた体勢のまま、服も半脱ぎのままで私はしばらく呆然としていた)
(壺の中身のことにもまるで頭が回らなかった)

【これが後半ね。もう少し短くまとめるようにすべきかしら…】