>>122
(扉の向こうは日差しがあって、屋敷の明かりに慣れていた私は目を瞑ってしまう)
(少しずつ光に慣れるのを待ってから目を開くと、そこはよく見る学校の廊下に似ていた)
うちの学校に繋がってる……なんてわけないよね
(流石にそんなことはあり得ないと思う)
(ただ似ているだけなんだろうけど、似ているだけにためらいもある)
(学校に似た廊下を下着姿で歩くって……流石にどうなんだろう)
でも、少し調べるだけ、なら……
大丈夫、大丈夫よ、私
(自分に言い聞かせて私は廊下に進んだ)
(でも歩き始めて数秒で、後悔が押し寄せてきた)
や、やだ……また誰かに見られてる感じがする
見ないでよ、こんなところ……
(降り注いでくる視線から体を守ろうと、胸とアソコを手で隠す)
(周りを見回しても誰かがいる気配はなくて、やっぱりこの館は不気味だ)
(とにかくそんな視線から逃れるために足早に私は教室に駆け込んだ)
(机が並んでいる様子もよく見る光景だったけど、数は私の学校よりも少なそう)
(並んでいる机の横を通って何か無いか見ていたら体操着袋を見つけた)
誰のかわからないけど……というか、館の、よね
だから、着ても問題ないハズ
(中から出てきたのは当然のように体操服)
(学校ではハーフパンツでブルマは履いたこと無かったけど、知ってはいた)
(誰のものかはわからなかったけど、巫女服を勝手に着たばかりだし)
(迷うことなく、私はその場で体操服の上着とブルマを着た)
(着終わると教室を出て廊下に戻り、来た方向とは反対側にある扉に向かう)
(巫女服の時とは違って、今回は似合ってるか確認しようという気は起こらなかった)
(屋敷から出ることの方が気になっていたし、ブルマの履き心地がなんか……)
足が出過ぎてるし、心もとないのよね……
昔はこれが当たり前だったなんて信じらんない
(誰かのものを勝手に着といて文句を言っちゃうのは図々しい気もするけど)
(廊下を進む間ずっとまとわりつく視線から気をそらしたくて呟きながら歩く)

(扉の向こうは体育館だった)
(館の中にどれだけのものがあるのだろう)
(現実離れした館の内装にもう一々驚いていられない)
えっと、10回中8回シュート……すれば、クリアってことね
(ホワイトボードに書かれている字を見て、そこに書かれていることをすんなり理解)
(こういうゲームっぽい仕掛けなら、分かり易かったし挑む気になる)
(なにより私は運動がそこそこ得意だから歓迎な分野と言えた)
(だからお仕置きも、そんなの受けることはないと自信を持って言い切れる)
さあ、行くわよ……っ!
(ボールを持ってゴールと向かい合う)
(さっさとクリアして館から脱出するために……!)
(シュート、シュート、ミス、シュート、シュート、ミス、ミス……)
……なんでよっ!
(3回目のミスをした時点で失敗なのは確定)
(つい声を荒げてしまった)
(言い訳させてもらうと裸足では感覚が違ったというか……シュートにあまり関係ないわね)
(とにかく失敗は失敗だ、やり直そうと)
(そう思った時、背後から深いため息が聞こえてきた)
……!?
(咄嗟に振り返る、けどそこには誰もいない)
(また見えない何かだと思ったのと同じ時、なんだか体が少し熱くなった)
(さっきの壺に近づいた時と同じ感じで、イヤな予感はした)
まあ、いいわよ
次で取り返せばいいんでしょ
(ホワイトボードの方に足音が聞こえて、もう一回と書かれる)
(クリアするまで再チャレンジできるなら何回でもやり直せばいいだけ)
(ポジティブに考えて私はまたボールを拾い上げた)
【また分割】