>>164
(汐里がいつも登下校に使っている通学路の途中に、その家はあった)
(いや、正確には、その日、突然それは現れた。その日の朝まで、その場所は公園であり、建物など存在していなかったのは間違いない)
(なのに、まるで幻のように、その家はそこに出現した)

(かなり古そうに見える、木造の家。長年手入れがされていないのだろう、外見はかなりボロボロだ)
(だが、正面の玄関扉は大きく開け放たれており、そこから見える内部は、とても清潔で片付いているように見える)

(玄関の前には、まるでノートをちぎってばらまいたかのように、数枚の紙が散乱している)
(そこには、鉛筆で、こんな文章が殴り書きされていた)

『おまえがおんなならば なかにはいれ』
『しあわせになりたいならば はいれ』
『これはさまよえるやしき』
『ずっと あいをあたえられる ものをもとめて』
『茶碗』『はやく』『だれもこない』『まだこない』『せいえk』

【試しにお相手させて下さいな〜】
【屋敷の外側は、こんな感じで大丈夫でしょうか】