>>166
(汐里は、学校が終わって帰宅する途中だった。)
(いつも通い慣れている道なのに、急な違和感に襲われた。)
こんな家、なかったよね?
(自身に確認するように、一人呟く。)
(近所の人に聞けばハッキリしたのだが、汐里はある真実に行き着く。)
これが噂の迷い家…?
(丸で、自分に会いに来たように現れた屋敷。)
(これが、入った者の願いを叶えるという「迷い家」というものだろうか。)

先ず、玄関を見てみようか。
誰か住んでるのかな?
(玄関には複数の紙が散乱している。)
(それを見て、疑問は確信に変わった。)

『幸せになりたいならば入れ。
ずっと愛を与えられる者を求めて…茶碗…うん…?』
(紙を読み上げる。)
(後半の方は意味が分からないが、言われた通り、
何の疑いもなく、靴を脱いで上がる。)
幸せってどういう事だろ?
じゃあ入るね、お邪魔します!
(小学生らしく、元気に挨拶すると、玄関の向こうに進んでいく。)