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(ユリアがいう所の、“不浄”なところに、布越しに吸い付いた最後の一匹が神官衣のスリットから、
プルンと、抜け出し、何処かに這い去っていく。)
(少女を初めて、快楽の高みに押し上げようとしていた刺激は去るが、
荒い呼吸を初心な神官が落ちつけるまでの間も漂う薄桃色の淫煙はユリアをあぶり続ける)
(白い聖職の衣装に残る薄桃色の痕跡は、ほの暗い魔術の明かりの中、
ユリアが纏い始める色香を数段飛ばしで、牝の色に染めており)

(そして地図を拾い、この館の位置を確かめた冒険者にとっては、幸いな事に、
今の所、先ほどのスライム以外の気配は感じられる事はなく)
(おそらく襲われたら抵抗できぬであろう身体は、疼きながらも、
僅かずつではあるが、右側奥の扉に向かい進み始める)

(扉にたどり着いたユリアは、隣に、先ほどのスライムに襲われたあいだに隙間を抜けて、
こちらもスライムの洗礼を受けたのか乾いた己の杖がいつの間にか浮いている事に気付くだろう、
その杖は、ユリアが扉を開けようとするなら、警告の様に淡く輝く)
(そして少女が扉を開けるなら、扉の先は、真実手洗い場の様子であるが、
大きな姿見の鏡……何かおかしい気がする、と、床に大量に散らばる卑猥な絵が描かれた紙、
そして、転がる先ほど見たものより小さな……子供のものと思われる骨)

(それを見てしまった、ユリアは内にかなり強い力で引き込まれてしまう、
不幸中の幸いとしては、手洗い場の内には、薄桃色のもやは漂ってはいない)
(鏡に映る少女は、何も纏わず、薄く火照る白い肌を晒しており、
その手を半透明の子供が手洗い場内に、引き込んでいる)
【杖を持ち込むつもりがあれば、手に取って持ち込めます】