ひぅっ!!
(廊下の温度やジーンズの帯びる熱とは正反対のように白く薄い手は死人のように冷たい感触だった)
(だがその感触が優璃にとっては気持ちよく、抵抗する気力を削いでいく)
(意識の奥底でその快感を求めてしまいそうになったところで白い手に変化が訪れた)
(ペンライトで照らしているため確証は得られないが白い手はゆっくりと透けていき、それと同時にジーンズの硬い布越しというよりはその下のショーツの上から揉むような感覚に代わる)
えっ!?
(いつの間にジーンズを消されたのかと思い自分の足元を照らし、触れてジーンズの存在を確認する)
(館に入ってきた時と変わらない、優璃の気に入っているジーンズをちゃんと履いている)
(快感を堪えるように、自身の抵抗が無駄だと判断した優璃はジーンズの太ももあたりをぎゅっと握る)
やぁっ!!
(冷たい手は全体がカイロの様に暖かくなったジーンズの中でまったく別のものという存在感を主張している)
(相変わらずジーンズは白い手の動きに連動して優璃の秘所を責め立てている)
(ショーツには幾度となく責め立てられた証拠のように愛液の染みが浮き上がっていた)
あぁ…もうダメッ!!
(絶頂に至るか至らないかといったその時であった)
(新聞受けから伸びていた白い手は姿を消してジーンズも先ほどまでの挙動が嘘のように普通の衣服へと戻っていた)
…消えた?
(責めから解放されると涙目になりその場にへたり込んでしまう)
あ…あぁ…怖かったぁ………
(持ってきていた飲料水を少し口に含み、気分を落ち着かせて周囲の探索を再開する)
次はどっちに行こうかな…
(右側に伸びる道が優璃はとても気になっていた)
2度あることは3度あるっていうし…
(このまま延々とまっすぐ進み続けても同じような扉ばかりが続くのではないかという不安感と早くこの蒸し暑い空間から脱出したいという気持ちが優璃の頭の中でぐるぐると回っている)
よし、決めた!
(何も変化がない道よりかは少しは変化のある道を通りたいといった希望もあって優璃は立ち上がると右側の細い通路へと向かっていく)
(この最中の出来事であった)
(優璃のジーンズは再びある変化が起きていた)
(秘所に当たる部位のジーンズの裏地の皺が顔のような形状へと変化していく)
(そして、呼吸をするかのようにジーンズは優璃の薄桃色のショーツに顔を近付けたり離したりを繰り返していた)
……また誰かに見られてる気がする
(今度はジーンズに隠されているはずのショーツをまじまじと見つめられているような感覚にとらわれていた)
(ワイシャツはほとんど透けているため下に着ているキャミソールやその下につけているブラなども視線を感じても致し方ないと思っていたが、ジーンズによって隠されているはずのショーツが見られているという感覚には優璃は恥じらいを感じていた)
(優璃はそれがジーンズの裏地に現れた顔によるものだということも知らず、「きっと気のせいだ」と言い聞かせて気にしないようにした)