>>315
手紙の内容を確認した少女だったが、衣服を全て脱がなくてはいけないという指示にすぐには行動できず、一度部屋の探索に切り替える。
しかし手紙にはまだ続きがあったのだ。
そこにはこう示されている。
『掟に従わぬ者、永久の闇に囚われ魔物の苗床へ堕ちるであろう』
入ってきたときには真新しさを感じていた空間だったが、時が立つに連れて徐々に老化が進んでいた。
そう、この部屋は外からの生物以外の持ち込みを取り締まる、いわば検問のような役目をしていた。
この部屋から出る方法、それはつづらに身に着けている全ての衣服を納める事。
そしてもうひとつは…そう。
異界へ堕ち、無数の魔物とまぐあいその身体を捧げる事しかなかった。

探索を続ける少女だったが、障子やふすまがあってもこの部屋は四方を壁でふさがれており、他の部屋へと移動する事は出来ない構造になっている。
ここからでるにはただひとつ、入ってきたドアから出るしかなかった。
そうこうしているうちに室内の空気は徐々に不穏なものへと変化して行き、少女に警告を発する。
異様な声が聞こえてくれば、部屋の物ががたがたと震えだす。
まだ日中だというのに日差しがさえぎられどんよりと暗くなったと思えば、雷が落ちたと思うように障子の外が激しく点灯する。
果たして少女はこの部屋の仕掛けに気づくのか、それともここで朽ち果ててしまうのか。
もしも部屋のルールに気づいたならば、ドアは開きこの部屋からの脱出もできるであろう。
ただ、入ってきた場所へ出られるとは限らないが…。
仮にこの先へと進めたとしても、この部屋はまだ館の入り口にすぎない。
館はすでに少女を標的として捕捉しており、その美しい身体を蹂躙するべく様々な仕掛けを施している。
本番はこれからだった。