>>318
ああっ、外しにくい!!
(ベルトの金具をカチャカチャといわせながらなんとか外し、ジーンズから引き抜いてつづらに収めるがそれでも扉が開く気配はなかった)
(ベルトを失って緩くなったジーンズは少しずり落ちてお尻の一番盛り上がっているところで引っかかっているがワイシャツとその合間から淡い水色のショーツが覗いていた)
まだ開かないなら……あぁっ!!
(壁にはひびが入り、土壁が崩れ、天井からは埃が落ちている、その様子から残る時間は少ないと急かされているように葵は感じていた)
急がないと……早く……、あとで取り戻せばいいんだから……!!
(自分に言い聞かせるようにワイシャツのボタンに手をかける)
(恐怖と緊張で震え、汗で滑る手ではなかなかボタンは外せず、全部外し終わるころには先ほどまでかかった時間と同じくらいかそれ以上の時間を消耗していた)
(そして襟首をつかむと自分から引きはがすように脱ぎ捨て、黒いノンスリーブのインナー姿になる)
これでどう!!
(ワイシャツをつづらの中に入れて部屋の中央へと叫び、ドアノブをひねる)
(もう片方の手はこれ以上脱ぎたくないという意思の表れなのかジーンズを引き上げて押さえていた)