>>376
(雑木林に囲まれた、物寂しい場所にたたずむ古い館)
(誰かが住んでいるのか、それとも空き家なのか、それすらも外からはわからない)
(ただ、大きくぶ厚い樫材の玄関扉は大きく開け放たれており、来客をいつでも歓迎しているかのようだ)
(扉の向こう側は、広いホールになっていて、ほんのりとイカのような、ナマ臭い匂いが漂っている)
(その匂いを感じられる場所にまで足を踏み入れてしまったら、もう手遅れだ……玄関扉をくぐり、ホールに入ってしまったなら)
(背後で自動的に扉が閉まり、太い閂でもかけられたかのように、二度と開かなくなってしまうだろう)
(退路を閉ざされた侵入者は、そのままホールでまごついていてもいいし、館の奥深く進んでいくことを選んでもいい)
(ホールには、玄関扉の対面の位置に、また別の扉がある……)
(その扉にはカギがかかっておらず、取っ手を持って押し開くだけで、奥へと進めるだろう)
(ただ、なぜか、その扉の取っ手には、人間の精液がたっぷりと、ベタベタに塗りつけられている)
(イカ臭く、まったく渇いていない。まるで、今射精されたばかりのような精液だ)
(もちろん、その精液を出したらしい人間の姿は、まったく見あたらない……)

【はじめまして】
【こんな感じで、お相手お願いしてもいいですか?】