(腕を振ったあとに床の方で聞こえたべちゃっというあまり聞きたくない音)
(少しは飛ばせたみたいだけど、相変わらずナメクジがカーディガンの上を這い回る感覚は残ったまま)
ひ、ゃあっ!?
(全部払うにはどうしよう…。なんて考えていたら、鎖骨のすぐ上に冷たい感触)
(掠れた悲鳴しか出せなかった口が久しぶりに幼くて甲高い声を響かせる)
(すぐに理解できなかったけど、ナメクジが一体それからもう一体、さらには…と続いて侵入してくれば嫌でもわかる)
(袖の方ばっか考えてる内に襟から侵入されて、しかも少しずつ下の方へ進んでいく様子で)
(ヤダヤダ、そんな所来ちゃダメ……っ)
(首を振って拒絶しようとするけど、ナメクジは容赦なくやってくる)
(少しずつできてきた胸の谷間に添って降りてくると、当然ブラジャーが進路を遮る)
(穢れを知らない純白のカップに淡い水色のストラップが付いたフロントホックのジュニア向けブラ)
(成長途中の胸をしっかり守ってくれるブラジャーがナメクジの行く手を阻んでくれるけど)
(すぐそこにいるという緊張感が冷や汗を滲ませて)
(っ、やっ! 下の方も……っ! ダメだって……!!)
(太ももを登ってくるナメクジに気づいて慌てて足を閉じようとするけど、ヌルッとした体を止められるわけもなく)
(紺のスカートの中に入り込んだナメクジが足の付け根にまで登っていくと、そこにはブラと同じ色合いのショーツ)
(純白で上の方に小さく水色のリボンが付いたかわいい下着に、茶色くて不気味なナメクジが寄ってくる)
(ナマ臭い粘液が綺麗だったショーツに染みを作りながら、ゴムを持ち上げ中に入り込もうとする)
(な、なんでそんなトコ入ろうとしてるの……!?)
(恐怖。何をしたいのか、何をされるのか、全然わからなくて混乱しそうになって)
ん、ぅ……! ん、ぐぐ……っ
(畳みかけるようにナメクジは唇の隙間まで狙ってくる)
(唇を閉じて、絶対に入らせないように必死で抵抗。……でも、柔らかくて変幻自在なナメクジは強敵で)
ぅ、あ……っんぅ……ゃ、あ……っ
(強引にこじ開けたナメクジが口の中まで侵してくる)
(ちょうど人の舌くらいの大きさのナメクジが、恋愛未経験の舌に絡みついて)
(ファーストキスもまだなのにディープキスの味を教え込もうとしてくる)
(強引で、人間ですらない不気味なナメクジで、しかも口の中にナマ臭い粘液を流し込んでくる)
(いやぁ……っ! いや、なのに……なん、なの………っ)
(受け入れたい要素なんて何一つないのに、軟体生物の自在な動きは憎らしいほど巧みで)
(舌を弄ばれて、口を開きっぱなしで少し息苦しくなってきた顔は赤らみ、瞳には涙を滲ませる)
(クラスでは天然さと可愛い容姿のせいで小動物扱いされがちな少女からは想像できないほど女らしい表情を見せてしまう)
(抵抗力を奪われてる間に、ゴムの隙間からはナメクジが三匹ほどショーツの中に侵入成功していた)
(なだらかな丘が広がりまだ茂みも薄らとしているだけで、谷もぴったり閉じた幼い秘部)
(そこに侵入を許したと気づいてはいても、まだ未熟な体はすぐに刺激を感じなくて)
ん、んんっ! ぅん……ペッ! はぁ、はぁ……
(キスを浴びせていたナメクジを一度口に含み、捕まえてから、唾液と一緒に吐き捨てる)
(思いっきり含んだせいで粘液が口の中に残ってるけど今は我慢して)
に、逃げないと……!!
(尻餅をついている間に体中に群がってるナメクジをそのままくっつけたまま、足に力を込めて立ち上がる)
(滑りやすいのは承知で懸命に足を動かして、廊下の奥に逃げ込める場所を探そうと走り出す)
(腕を振ったり、手で払ったりして制服の上のナメクジは振り落とそうとするけど、中に入り込んだのはどうしようもなくて…)